油圧式フロアジャッキのオイル交換をやろうと思っても、「手順が分からない…」と手が止まる人は多いはず。
そこで今回は、油圧ジャッキのオイル交換方法を実作業ベースで分かりやすくまとめる。
ジャッキのオイル交換はそこまで神経質になる必要はないが、作業ミスは安全に直結するポイントでもある。
正しい手順を押さえておきたい人は、このまま順番にチェックしていこう。
油圧ジャッキオイル交換の注意点:
まずは、油圧ジャッキのオイル交換について基本から押さえておこう。
作業に入る前に仕組みやポイントを理解しておくことで、交換時のミスやトラブルを防げる。
セーフティーバルブは弄らない:

画像の赤丸部分にあるパーツは、セーフティーバルブと呼ばれる重要な部品。
これはジャッキに過剰な負荷がかかったときに圧を逃がし、本体を保護するための安全装置として機能している。
このセーフティーバルブを不用意に触ってしまうと、リリース(圧を抜くタイミング)がズレてしまい、ジャッキが正常に動作しなくなるリスクがある。
特に注意したいのが、リリーフバルブとの混同。セーフティーバルブは多くの場合、先端が色分けされて目立つようになっているのが特徴。
オイル交換を始める前に、どのパーツがセーフティーバルブなのかをしっかり確認し、絶対に触らないようにすることが重要。
廃棄するオイルの捨て方:

オイルを抜く前に、抜いたオイルを受ける容器を必ず用意しておこう。
今回は身近なもので代用する場合、2Lのペットボトルをカットして受け皿として使う方法でも対応できる。
ただし、後処理まで考えるなら廃油処理パックを用意しておくのがベスト。そのまま捨てられるので手間が減り、作業もスムーズに進む。
油圧ジャッキのオイル交換の手順:
それではここから、代用オイルを使った油圧ジャッキのオイル交換手順を解説していく。
実際の作業の流れに沿って進めるので、順番通りにチェックしながら進めていこう。
1. 油圧ジャッキのカバーを外す:

フロアジャッキのオイルを抜くには、まずオイルプラグ(栓)を見つける必要がある。
このタイプのジャッキでは、オイルプラグはカバーの内側にあるため、左右側面のボルトをメガネレンチで緩めてカバーを取り外す。
カバーを外すと、ゴム製のオイルプラグが見えるので、これを取り外す。多少硬い場合もあるが、基本的には指で引き抜くだけでOK。

2. ジャッキオイルを抜く:
オイルプラグを確認したら、次は劣化したオイルを抜く作業に入る。
まずはリリーフバルブを緩めて、ジャッキ内部の圧力を抜き、無負荷状態にしておく。
そのうえで、オイルプラグから古いオイルをしっかり排出するために、ジャッキ本体をゆっくり傾けて裏返すようにする。できるだけオイルを残さないようにするのがポイントだ。

そのままではオイルが残りやすいので、左右に傾けながらしっかりと出し切るのがポイント。
内部に古いオイルが残っていると、新しいオイルの性能にも影響するため、ここは丁寧に行っておきたい。
抜き取ったジャッキオイルがこちら。

かなり黒く汚れているのが分かる。
新品のオイルと比べると透明感がなく、劣化が進んでいる状態。
ここまで変色している場合は、性能も落ちている可能性が高いため、交換のタイミングとしてはちょうどいい状態だ。
3. オイルを入れる:

古いオイルをしっかり抜き切ったら、次は新しいオイルを入れていく工程。
フロアジャッキ専用オイルはやや高価で量も少ないため、今回は代用オイルとして**AZ(エーゼット)タービンオイル(ISO VG32)**を使用する。
タービンオイルは本来ジャッキ専用ではないが、必要な性能は十分満たしているため代用として問題なく使用できる。
ただし注意したいのがオイル量。
油圧フロアジャッキ(2tクラス)のオイル量は約100ml前後と意外と少ない。
そのため、気を抜くとすぐに入れすぎて溢れてしまう。溢れると後処理が面倒なので、少しずつ入れて調整するのがポイント。
目安としては、オイル注入口から約1cm下まで入れば適正量。入れすぎには十分注意して作業を進めよう。
4. エアーを抜く:

新しいオイルを入れたら、最後にエア抜き作業を行う。
オイル交換後は内部に空気が混入しているため、そのままでは正常に作動しないことがある。
まずはリリーフバルブを開放した状態にして、ジャッキハンドルを上下に動かし、10回ほどポンピングしてエアを抜く。
エア抜きが終わったらリリーフバルブを締め、ジャッキを持ち上げてみる。
その状態で高さがしっかり維持できていれば作業完了。
油圧ジャッキのオイル交換まとめ:

油圧ジャッキは定期的にオイル交換が必要だが、正直なところ作業は手間がかかる。
今回交換したジャッキも、約1年前にオイル交換したばかりだったが、実際には1年程度で劣化が進んでしまった。
その原因は、ジャッキアップした状態のまま長時間作業していたこと。油圧ジャッキは構造的に、長時間荷重をかけ続ける使い方には向いていない。
基本的にジャッキは「車体を持ち上げるための道具」と割り切り、作業時は必ずジャッキスタンド(ウマ)を併用するのが安全かつ正しい使い方。



