ネジ式とフルタップ式の違いを分かりやすく解説!メリット、デメリットなどを詳しく紹介します。

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今回は、自動車のローダウンで比較されることが多い、ネジ式車高調とフルタップ車高調の違いについてそれぞれのメリットやデメリットなどを徹底解説していきたいと思います。

これから車高調でローダウンしようと考えている…という方はもちろん、すでに車高調を取り付けしているという方にとっても役立つ情報になっていると思うので、この機会に是非、時間を見つけて読んでみてください。

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ネジ式とフルタップ式の違い:

各メーカーから車高調が販売されていますが、見た目の違いは少なく配色以外はそんなに大差はないですが、実は車高調の構造に大きく異なる点があります。

では、それぞれの特徴を詳しく解説していきたいと思います。

ネジ式車高調の基礎知識:

ネジ式の車高調は、スプリングシートと呼ばれているスプリング(バネ)を支えている皿を回して車高調のスプリングを縮める事で車高を下げることができます。

逆にシートを緩めれば車高が上がるというシンプルな構造です。

ネジ式車高調のメリット

スプリングの全長を変えることで車高を調整するという単純かつシンプルな構造なので、手頃で低価格なものが多いです。

スプリングの長さ変えることで車高を調整できるので、車高をどれくらい変えたか視覚的に分かりやすく、比較的スムーズに車高調整できるのはメリットです。

ネジ式車高調のデメリット:

スプリングの縮み(長さ)を利用することでローダウンをしているので車高調整幅は少ないものが多く、もう少し下げたい…ということも多々あります。

乗り心地に関しても車高を下げてスプリングが短くなる事で有効ストロークが減ってしまうので、ネジ式車高調は極端なローダウンには不向きだといえます。

具体的には、ネジ式の車高調で大幅にローダウンするとサスペンションが底付きしてゴツゴツ感がでたり、路面からの衝撃、振動などを正常に吸収できない状態になる可能性があります。

とはいえ、各メーカーそれぞれの車高調に推奨されているダウン量の範囲内であれば極端に乗り心地が低下するわけではないので安心してください。

車高値の推奨ダウン量でも純正車高と比べれば、少なくとも5cm以上は下がるものが多いので実用レベルの調整幅だといえ、さらに車高を下げるならスプリングシートを1枚抜くなど対策が必要になります。

フルタップ式車高調の基礎知識:

フルタップ式車高調は、シェルケースと呼ばれるショック最下部のネジを上下して車高を調整します。

フルタップ式のメリット:

車高を下げても、スプリングの長さと有効ストロークの量が変化しないので乗り心地が変わらないのはフルタップ式の大きなメリットです。

また、大幅に車高を下げても底付きしないのは、ローダウンする上で大きな利点となります。

フルタップ式のデメリット:

車高を大幅に下げることが可能なフルタップ式車高調は、推奨のダウン量なら乗り心地に変化はありませんが、極端に下げすぎるとサスペンションとしての性能を発揮できなくなり性能も悪化します。

車高が低くなっても有効ストロークは変わっていないので、極端なローダウンはタイヤハウス上部のインナーカバーやアッパーマウントに当たる原因になるので注意が必要です。

また、フルタップ式はネジ式に比べて部品の数も多く、構造も複雑なので高価なものが多いです。

 

 どちらを選ぶべきなのか?

『結局のところフルタップ式とネジ式どっちを選ぶべきなのか…』と迷われる方も多いので、前述した車高調の特徴を元にどちらが用途に合うのかをまとめたのでご紹介します。

ネジ式車高調がおすすめな人:

  • 初めて車高を下げる
  • 調整に時間はかけたくない
  • 安価にローダウンしたい
  • 車高はそこまで低くしたくない

いう方は、「ネジ式」がおすすめです。

ネジ式車高調はダウン量はそこそこで、全体的に手頃なものが多いことから『コストはそこまでかけたくないけどローダウンはしたい!』そんな方におすすめの車高調といえるでしょう。

フルタップ式がおすすめな人:

  • 乗り心地を変えたくない
  • セッティングにこだわりたい
  • 大幅にローダウンしたい
  • 多少高価でもいい

という方には、「フルタップ式」をおすすめいたします。

乗り心地を重視する人にも下げ幅がほしい人にもおすすめできるユーティリティな車高調だといえます。

フルタップ式はネジ式に比べ、比較して高価なものが多いですが、性能を考えれば妥当だとは思います。

 

車高調は下がればいいというわけではない:

単純にメリットを考えるとフルタップ式がネジ式よりもいいのでは…?

と考える方も少なくないと思いますが、ビルシュタインやメーカーオプション品などでは、ネジ式車高調を採用していることも多いです。

このようにネジ式に根強い支持があるのは、そこに利点が認められている証拠ですね。

やはり車高調は下がればOKというわけではなく、走行性能の良し悪しにもつながってしまうという事も念頭において、使用する用途に合わせた車高調選びが重要です。

 

ネジ式・フルタップ式のQ&A:

『分からないことがまだまだある!』という方のために、よくある質問をQ&A形式で作成しました。さらに知識を深めたい方は、以下からお読みください。

Q.ネジ式車高調は、カタログ値の下げ幅が限界なの?

カタログの下げ幅は、メーカー側で走行性能を維持することができる値です。
したがって、まだ下げることができます。どこまで下がるかというとスプリングシートを下がるところまで回しきった場所がネジ式車高調の下げ幅の限界値になります。
ただ、乗り心地が悪くなるのでおすすめはできませんが…

Q.ネジ式車高調は、全下げだと乗り心地はどれくらい悪くなるの?

ネジ式の車高調は、基本的に下がらないといわれることが多いので全下げで使用される方も少なくありません。

全下げ=乗り心地が最悪というわけではなく、やはり使用する車高調次第ですが、純正状態より悪くなるのはあらかじめ覚悟しておきましょう。

Q.ネジ式とフルタップ式は、下げ幅にどれくらいの違いがあるの?

下り幅を比べると3cm〜5cm程度の違いがあります。

もちろんそれぞれの車高調スペックにもよるのでメーカーカタログに記載されている調整範囲の数値を参考に比較してみてください。

Q.フルタップ式を全下げでも乗り心地を良くするにはどうしたらいいの?

フルタップ式を全下げにすると車高は落ちますが、前述したように走行性能に悪影響を及ぼします。

改善策としては、下げ幅に定評のある車高調を選ぶかスプリング交換が有効です。

ただ、市販されている量産タイプには限界があるので下げ幅と乗り心地の両方となると…こだわるなら好みに合わせて制作するワンオフをおすすめします。

 

ネジ式とフルタップ式の違いを知ってから交換しよう!

今回は、ネジ式車高調とフルタップ式車高調の違いについて紹介させて頂きました。

車の車高を下げるには、いくつかの方法がありますが、その中でも車高調はローダウンの基本なので、ネジ式とフルタップ式の違いをしっかりと認識してから用途に合わせて選ぶようにましょう。

交換時に、今回の記事が少しでも皆さまのお役に立てれば幸いです。