雪道や凍結路など冬の運転には欠かせないスタッドレスタイヤ(冬タイヤ)。
基本的に毎年買い替えるものではないが、寿命をむかえたスタッドレスタイヤは本来の性能を発揮できないため適切なタイミングで交換しなければならない。
そこで今回は、スタッドレスタイヤの寿命や交換時期についてご紹介する。
地味だが、とても大切なものなので、しっかり把握しておいて欲しい。
それでは始めよう。
スタッドレスタイヤの寿命・交換時期が分かる2つのポイント:
スタッドレスタイヤの交換時期となる寿命のタイミングを見分けるには以下の2つのポイントがある。
- 溝の高さ:スタッドタイヤタイヤとしての機能するかどうか
- 使用した年数:劣化の度合い
この2つの条件を満たしている場合は、スタッドレス性能をまだ保持していることになる。
それぞれ具体的に何を示しているのかを詳しくご説明する。
スタッドレスタイヤの溝の高さ:
まず雪道や凍結した路面で走行するためにスタッドレスタイヤの溝の高さが基準よりも高い必要がある。
溝の高さの基準は、新品時と比較して50%ほどだと言われている。
スタッドレスタイヤの溝の高さは各メーカーとその銘柄にもよるが、8cm〜10cmほどであることから基準となるボーダーラインは4cm〜5cmであることを覚えておこう。
またプラットホームと呼ばれている目印を確認することで、スタッドレスタイヤの溝の高さの状態を具体的に知ることができる。
確認方法や場所を以下から詳しく説明しよう。
溝の高さの確認方法:
スタッドレスタイヤの溝の高さはトレッド(接地する部分)にある、プラットホームを確認すれば簡単にわかる。
まず、サイドウォール(タイヤの横)に表示されている矢印を探してみよう。
このように矢印はトレッド面の方を示しており、示す方向にプラットホームがある。
溝の高さが50%以下になった場合、プラットホームが露出することでスタッドレスとして性能が著しく低下していることになる。そのため雪上や氷上どちらでも使用することができない。
しかし、プラットホームが露出しているスタッドレスタイヤでも夏タイヤと同じく、乾燥路や雨などで濡れたウェットな路面での使用にはまったく問題はない。
厳密にプラットホームまで何ミリか調べるにはノギスや物差しなどが必要だが、目視による簡単な方法ならすぐに調べられる。
スタッドレスタイヤのプラットホームが露出しているか見るだけなので、定期的に確認するクセをつけるようにしよう。
使用年数:
使用年数は寿命を把握する上で最も重要な要素だ。なぜなら、スタッドレスタイヤの素材としての状態を最もダイレクトに表すものだからだ。
タイヤ使用されている原料は、ゴムであることから時間の経過とともに柔軟性を失っていき、硬化やひび割れが発生する。
スタッドレスタイヤには凍結時でも滑ることを防ぐために柔らかい素材が使用されているが、硬くなれば性能の悪化は避けられない。
つまり製造から時間がどれくらい経過しているかが使用期限の目安になる。そのためスタッドレスタイヤの寿命は、溝の高さのみで決まるものではなく、使用年数による劣化の度合いもよく確認して決めるようにしよう。
使用年数の確認方法は後述しているので参考にして欲しい。
使用年数の確認方法:
まず サイドウォール(タイヤの横)に刻印されている製造年を確認しよう。
この4つの数字は「セリアル」と呼ばれていて、製造された時期を表している。
左の2つの数字が週、右の2つの数字は年を指し示している。
例えばこのタイヤの場合、1818と表示されていることから2018年の18週に製造したスタッドレスタイヤだということになる。
週数は1ヶ月で4〜5周なので、4月の上旬〜中旬に製造されたことが推測される。
スタッドレスタイヤの寿命となる使用期間は約3年から4年と言われていて、期間内であるならば基本的に問題なく使用できることになるが、保管状況よって状態はそれぞれ異なるため使用年数だけで一概に使えるとは言えない。
スタッドレスタイヤの保管状況は劣化のスピードに大きく影響を与え適した環境ではない場合、ひび割れや硬くなりやすくなってしまう。
外に保管する場合、直射日光や雨にさらされているなら通常よりも劣化スピードを早めてしまう原因になるので注意する必要がある。
スタッドレスタイヤの硬さも確認しておく:
ここまでの解説で、スタッドレスタイヤの寿命と交換時期は溝の高さと使用年数によって劣化の度合いを判断することが可能だ。
寿命の目安は3年から4年と言われているが、保管場所や紫外線など環境によっては比較的新しいスタッドレスタイヤでもゴムの硬化を早めて目安となる年数よりも寿命が短くなる。
しかし、ゴムの硬さがどれくらいが適切なのかは目で見ても手で触ってもよく分からない方も多いのではないだろうか。
もし、タイヤの硬さを正確に把握しておきたいのであれば硬度計の使用はおすすめだ。
ゴムの硬さが現時点でどれくらいなのかが、硬度計を使った測定方法なら一目で分かる。
交換に適したタイミングも把握しやすいので使ってみるのもオススメだ。
冬タイヤ装着前におすすめの点検方法:
スタッドレスタイヤを装着する場合、自分で作業すか、お店に依頼することになると思うが事前にタイヤの外観を確認して以下の点検をしておこう。
- 傷
- パンク
- ひび割れ
- 空気圧
それぞれ以下から詳しくご紹介していく。
傷:
タイヤの傷に関しては、弱いとされているサイドウォールを中心に確認しておこう。
縁石や車止めなどに当たると、切れやエグれなどあるので一度確認しておこう。
傷がある場合、現時点では問題がなくても走行による衝撃などにより傷がある部分から空気が漏れたり、バーストする原因にもなる。特に深い傷には注意する必要がある。
パンク:
走行時にクギや異物を踏んでタイヤがパンクしていることがある。その中でもクギ踏みは特に多いので注意したい。
トレッド部分を中心に接地面や溝と溝との間も確認しておこう。
クギ踏みは刺さっていてもパンクしていない場合もあるが、そのまま装着して走行時の衝撃でいつパンクするか分からない状態なので見つけたらすぐに除去しよう。
除去すると空気が漏れるようなら、そのままの使用は不可となり、パンク修理が必要となる。
シワ・ひび割れ:
経年劣化によって発生するヒビ割れは、スタッドレスタイヤの性能に影響を与える。
多少のシワやひび割れなら問題はないが深刻な状態であれば一度お店で確認してもらうと良いだろう。
空気圧:
通常の保管状況であれば、4本とも同じ空気圧になっているので確認しておこう。
もし空気圧が低くなっているタイヤがある場合、タイヤまたはホイールのどちらかに問題がある可能性がある。
空気圧を一度入れてみて、すぐに抜けてしまうようなら装着せずに、この場合もお店で確認してもらおう。
このように、傷やひび割れなどタイヤの状態を日頃から自分の目で定期的に確認しておくことをおすすめする。
少し面倒だと感じる方も多いとは思うが、厳しい冬の雪道を快適に運転するためには欠かすことのできない重要なポイントとなるので安心・安全を確保するためにもスタッドレスタイヤの点検と管理を徹底しておこう。
まとめ:
冬の運転には欠かすことのできないスタッドレスタイヤ。
それだけに、交換時期のサインである溝の高さや使用年数などを見逃さずに適切なタイミングで交換する必要がある。
『このまま使用しても大丈夫なのか』
『新たなスタッドレスタイヤに交換した方がいいのか』
とお考えの方は、マイカーでお使いのスタッドレスタイヤをよく確認して必要に応じて決めるようにしよう。