グッドイヤーの代名詞とも言えるオールシーズンシリーズ──その最新世代が「ベクターフォーシーズンズ GEN-3」。
全天候対応という言葉を“本気で”形にしたモデルで、低温ウェット・軽雪・耐摩耗・日常走りの安定性まで、あらゆる条件を抜け目なく押さえた完成度の高さが魅力だ。
都市部の日常使いから冬の備えまで一気にカバーしたいなら、このジャンルで外せない一本。
GEN-3が目指した“全天候の安心感”を、ここで体系的にまとめていく。
基本スペック

- 発売年:2020年
- パターンタイプ:方向性パターン(V字型オールウェザー)
- ロードインデックス・速度記号:例)205/55R16 94V XL
- 適合車種カテゴリー:軽自動車・コンパクト・セダン・ミドルSUV
簡易性能チャート

- ドライ:V字ブロックの面圧分散と強めのセンターリブで、日常域の直進性が安定。急な応答性より“破綻しにくい挙動”を優先した設計。
- ウェット:方向性パターン+太い排水溝で排水性が高く、雨が強い日ほど安定感を発揮。低温ウェットも得意な欧州基準のコンパウンドが効く。
- 静粛性:オールウェザーらしい細かいブロック分割で騒音を抑えつつ、ロードノイズは適度に丸めた仕上がり。静粛型ほどではないが不快感が少ない。
- 乗り心地:しなやかめのサイド構造で段差の角を丸めるタイプ。欧州タイヤにしては柔らかく、街乗りで扱いやすい。
- 雪:V字パターンの噛み込みと細密サイプで軽雪性能は高め。深雪はスタッドレスに劣るが“非降雪地域の冬”なら十分こなす。
- 寿命:摩耗しにくい欧州系コンパウンドで耐摩耗性が高い。方向性パターンのためローテーション制限はあるが、総合寿命は長め。
※ このチャートはメーカー公式値ではなく、タイヤの構造とコンパウンド特性から導いた専門的な傾向評価だ。
公式データ|全天候対応を支えるGEN-3の技術仕様

ベクター フォーシーズンズ GEN-3は、欧州の厳しい季節環境に対応するための公式データが公開されている。
ここでは、長期運用で変わらない“事実のみ”を整理した。
- 3PMSF(スリーピークマウンテンスノーフレーク):対応
- M+S:表記あり
- パターン構造:方向性(V字)パターン+高密度サイプ
- コンパウンド:Weather Reactive Technology採用のオールウェザー柔軟コンパウンド
- EUラベル(参考):ウェットグリップ B〜C、転がり抵抗 C〜E、外部騒音クラス 2
- 発売年:2020年
開発ストーリー|一年を通して“路面を選ばない”ことを最優先した設計思想

ベクター フォーシーズンズ GEN-3の開発思想は、「路面状況の変化に強いタイヤをつくる」こと。季節の急変や雨量の多さ、路面温度差が大きい欧州環境に合わせて、方向性パターンによる排水力と、低温域でも柔軟さを保つコンパウンドを軸に構築されている。
V字型パターンで雨・雪への対応力を高めつつ、街乗り域では扱いやすいマイルドな応答性をキープ。スタッドレスほど重くならず、サマータイヤほどドライ特化でもない“ちょうどいい全天候性”を狙った、グッドイヤーらしいオールウェザー設計だ。
他社比較|静粛型・バランス型・高速安定型で見るGEN-3の立ち位置

オールシーズンタイヤはモデルごとに性能の方向性が大きく異なる。
ベクター フォーシーズンズ GEN-3は“全天候で破綻しない安定性”と“低温ウェットの強さ”を軸にしたバランス型。
ここでは3つの抽象カテゴリに分けて、GEN-3がどこに位置するモデルなのかを整理する。
① 静粛型(例:ヨコハマ ブルーアース4S AW21)

静けさと乗り心地を優先するカテゴリー。
AW21は街乗りの静かさで優位だが、低温ウェットや軽雪の噛み込みではGEN-3が一枚上。
「快適さ重視ならAW21」「全天候の安定感ならGEN-3」という住み分けになる。
② バランス型(=GEN-3のポジション)

ドライ・ウェット・雪・乗り心地を崩さずまとめるタイプ。
GEN-3はV字方向性パターンの排水力が強みで、雨が多い地域や冬の冷えた路面で安定しやすい。
扱いやすさと全天候性のバランスが取れた“オールウェザーらしい”モデル。
③ 高速安定型(例:ミシュラン クロスクライメート 3)

高速域での直進性・剛性感を重視するカテゴリー。
CC3は高速安定性が抜けている一方、乗り心地の柔らかさ・低温ウェット・軽雪での扱いやすさはGEN-3に軍配。
「高速の安心感=CC3」「全天候の扱いやすさ=GEN-3」という構図だ。
メリット・デメリット

メリット
- 雨・低温に強い:方向性V字パターンと柔軟コンパウンドで、雨量が多い日ほど安定感が高い。
- 軽雪に強い:細密サイプと噛み込み形状で“都市部の雪”には十分対応。
- 全天候で破綻しにくい:挙動がマイルドで、天候変化が激しい地域でも扱いやすい。
- 耐摩耗性が高い:欧州基準のロングライフコンパウンドで寿命が長い。
デメリット
- ロードノイズはやや出る:方向性パターン特有の“ゴー音”が静粛型より強い。
- ローテーション制限あり:方向性のため前後入れ替えは可能だが左右入れ替えは不可。
- 高速安定性は控えめ:CC3のような剛性感はなく、あくまで万能寄りのフィーリング。
サイズ展開|主要サイズの代表例をまとめた

- 14インチ:175/65R14 82T
- 15インチ:185/65R15 92V
- 16インチ:205/55R16 91H
- 17インチ:215/55R17 98V
- 18インチ:225/50R18 99V
※ ここでは流通量が多い主要サイズだけを抜粋している。全サイズ一覧ではなく、代表的なラインナップをまとめた形だ。
車種別適合|主要コンパクト・ミドルSUVを中心に整理

- 軽自動車:なし(対応サイズがほぼ存在しない)
- コンパクト:フィット、ヤリス、ノート、カローラスポーツ など
- ミニバン:フリード、シエンタ、ステップワゴン など
- SUV:ヴェゼル、CX-3、CX-30、アウトランダー、フォレスター など
※ グレードで純正サイズが違うことがあるけど、ここでは代表的な純正サイズを基準にまとめている。
まとめ|全天候で破綻しにくい“完成度バランス型”オールシーズン

ベクター フォーシーズンズ GEN-3は、雨・低温・軽雪に強い全天候タイプで、“とりあえずこれなら安心”と感じさせる安定感が最大の魅力だ。強烈に尖った性能は持たないが、天候がコロコロ変わる地域では非常に扱いやすい。
静粛性や高速安定性を最優先したモデルではないものの、方向性パターンの排水力や軽雪性能の高さは、オールウェザー系の中でもしっかり存在感がある。冬の備えをしつつ一年中使いたいユーザーに向く万能型だ。
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GEN-3を検討するなら、静粛型・高速安定型・欧州バランス型との比較が理解を深める最短ルートだ。



