SeasonX TA01は、アジアンブランド「トライアングル」が展開するオールシーズンタイヤ。
高性能や快適性を前面に押し出すモデルではなく、「一年を通して使える最低限の性能を、できるだけ低コストで提供する」ことを目的に設計されている。
ドライ・ウェット・軽雪までを一通りカバーしつつ、性能の尖りは意図的に抑制。
スタッドレス代替や雪道特化ではなく、履き替えの手間を減らしたい都市部・準雪地域ユーザーに向けた割り切り型の立ち位置だ。
この名鑑では、SeasonX TA01の設計思想・立ち位置・強みと弱みを整理し、
「価格重視で選んだ場合に、どこまで納得できるタイヤなのか」を判断できるよう解説していく。
基本スペック(概要)
SeasonX TA01は、トライアングルが展開する乗用車向けオールシーズンタイヤ。
高性能や快適性を追求するモデルではなく、通年使用に必要な要素を最低限まとめた「低価格・実用優先」の設計が特徴だ。
- 発売年:2022年頃
- カテゴリー:オールシーズンタイヤ
- スノー対応表記:3PMSF/M+S
- パターンタイプ:左右非対称/非方向性
- 想定用途:街乗り・日常走行・準雪地域での通年使用
- 対応車種:コンパクトカー/セダン/小型ミニバン中心
左右非対称かつ非方向性パターンを採用しており、ローテーションの自由度は高め。
スタッドレス代替や積雪路の走破性を求めるモデルではなく、「一年を通して使えるコスト重視の選択肢」として位置づけられる。
簡易性能チャート
SeasonX TA01は、「低価格でも一年を通して使えること」を最優先に設計されたオールシーズンタイヤ。
高い絶対性能よりも、日常域での破綻のなさとコストバランスを重視している。
- ドライ性能:
剛性や応答性は控えめ。街乗りや巡航域では安定しているが、スポーティな走りを想定した設計ではない。 - ウェット性能:
排水性を意識したトレッド構成で、雨天時でも挙動は比較的穏やか。
低速〜中速域での安心感を重視した特性。 - 静粛性:
高級タイヤほどの静かさはないが、日常使用では許容範囲。
路面状況によってはロードノイズが出やすい。 - 乗り心地:
ゴムは柔らかめで、段差や荒れた路面の当たりは比較的マイルド。
上質さよりも無難さを優先した印象。 - 雪性能(軽雪):
3PMSF対応。うっすら積もる雪や圧雪路までを想定。
スタッドレス代替を前提とした性能ではない。 - 寿命:
高耐摩耗を強く打ち出す設計ではないが、均一摩耗を意識した構造。
通年使用を前提とした標準的な耐久バランス。
※ 本チャートはメーカーの公式値ではなく、タイヤの構造・コンパウンド特性から導いた専門的な傾向評価。
公式データ
SeasonX TA01は、TRIANGLE(トライアングル)が欧州向けを中心に展開するオールシーズンタイヤ。
低価格帯でありながら、3PMSF(スリーピーク・マウンテン・スノーフレーク)認証を取得し、
「一年を通して使える最低限の雪対応」を公式に担保している。
- タイヤカテゴリー:オールシーズンタイヤ
- 雪道認証:3PMSF(スノーフレークマーク)取得
- トレッドパターン:左右対称パターン
- 回転方向:指定あり(方向性パターン)
- 対応車種:乗用車/コンパクトカー/一部SUV
- 想定市場:欧州・アジア圏(コスト重視ユーザー向け)
公式データ上では、SeasonX TA01は「スタッドレス代替」ではなく、
軽雪・低温路を含めた通年使用を目的とした設計。
降雪量が少ない地域や、冬でも日常移動が中心のユーザーを主なターゲットとしている。
開発ストーリー|開発背景とコンセプト
SeasonX TA01は、「低価格でも一年を通して使える安心感を」という明確なテーマのもとで開発された。
トライアングルはプレミアム性能を狙うのではなく、日常移動に必要な条件を確実に満たすことを最優先に設計している。
開発の中心に据えられたのは、欧州やアジア圏に多い「冬でも本格的な積雪は少ないが、低温・冷雨・軽雪は避けられない」という使用環境。
スタッドレスほどの氷雪性能は求めない一方で、サマータイヤでは不安が残る――
その中間を埋める存在としてSeasonX TA01は位置づけられている。
トレッド設計では、方向性パターンと多方向サイプを組み合わせ、
軽雪路でのトラクション確保とウェット排水性を両立。
コンパウンドも低温域での硬化を抑える配合とされ、
冷えたアスファルトでも挙動が急変しにくい性格を目指している。
また、3PMSF認証を取得している点からも分かる通り、
SeasonX TA01は「オールシーズンを名乗るための最低条件」を意識して設計されたモデル。
高性能よりも現実性、極限性能よりも使いやすさを重視した、
トライアングルらしい実用志向の開発思想が色濃く反映されている。
他社比較|静粛型・バランス型・高速安定型で見るSeasonX TA01の立ち位置
オールシーズンタイヤは「どの性能を優先しているか」で性格が大きく分かれる。
SeasonX TA01は、快適性や高速安定性を突き詰めるタイプではなく、
日常域での扱いやすさと軽雪対応を重視した実用バランス型に位置づけられる。
ここでは代表的な3タイプで、その立ち位置を整理する。
① 静粛型(快適性重視タイプ)
ロードノイズや乗り心地を最優先に設計されたタイプ。
都市部走行や高速巡航での快適性は高いが、トレッド剛性は比較的マイルドで、
軽雪路では限界が早い傾向にある。
SeasonX TA01は静粛性特化ではないものの、
日常速度域で不快に感じるレベルのノイズは抑えられており、
「静かさよりも安心感」を優先した設計と言える。
② バランス型(=SeasonX TA01のポジション)
ウェット・ドライ・軽雪を平均点以上でまとめたタイプ。
SeasonX TA01はこのカテゴリーに属し、
冷えた路面や薄く積もった雪でも挙動が急変しにくい点が強みとなる。
突出した性能はないが、サマータイヤの延長では不安が残る冬環境において、
「とりあえず安心して走れる」という実用性を重視するユーザーに向く。
③ 高速安定型(剛性・直進性重視タイプ)
高速域での直進安定性やハンドリング剛性を重視したタイプ。
ドライ性能は高いが、低温時の柔軟性や軽雪対応は控えめになりやすい。
SeasonX TA01は高速安定性を武器とするモデルではなく、
このタイプと比べると応答性は穏やか。
その代わり、低速〜中速域での扱いやすさと路面変化への寛容さを重視している。
SeasonX TA01は「尖った性能」よりも「一年を通して困らない性能」を選んだモデル。
高価なプレミアム系オールシーズンとは異なり、
価格と実用性のバランスを重視するユーザー向けの現実解として位置づけられる。
メリット・デメリット
SeasonX TA01は、オールシーズンタイヤに「万能性」と「価格バランス」を求めるユーザー向けのモデル。
ここでは構造とコンセプトから見た、変わらない長所と注意点を整理する。
メリット
-
軽雪・低温路面での扱いやすさ
ゴムの柔軟性を重視した設計で、冷えた路面やうっすら積もった雪でも挙動が急に乱れにくい。 -
ウェット路面での安定感
排水性を意識したトレッド設計により、雨天時でも接地感がつかみやすい。 -
日常域での素直なハンドリング
低速〜中速域での応答が穏やかで、街乗りや通勤用途でも扱いやすい。 -
価格を抑えた実用的なオールシーズン
プレミアム系に比べて導入コストが低く、コスパ重視ユーザーに向く。
デメリット
-
本格的な積雪・凍結路には非対応
スタッドレスタイヤの代替として使える性能ではなく、積雪地域では注意が必要。 -
高速域での剛性感は控えめ
高速走行時の直進安定性やスポーティな応答性はプレミアム系に劣る。 -
静粛性特化モデルではない
不快なレベルではないが、静かさ最優先の設計ではない。
SeasonX TA01は「突出した性能」よりも「一年を通して困らない安心感」を重視した一本。
スタッドレスとサマーを使い分けるほどではないが、
サマータイヤだけでは不安なユーザーにとって、現実的な選択肢となる。
サイズ展開
SeasonX TA01は、コンパクトカーからミドルクラスまでを中心に、
日常用途で使われやすいサイズ帯をカバーしている。
ここでは流通量が多い代表的なサイズを抜粋する。
- 14インチ:175/65R14
- 15インチ:185/65R15、195/65R15
- 16インチ:195/60R16、205/55R16
- 17インチ:215/55R17
※ ここでは流通量が多い主要サイズのみを掲載している。
※ 実際の対応サイズは販売時期・地域によって異なる場合がある。
車種別適合
SeasonX TA01は、雪がほとんど積もらない地域や都市部を中心に、
「オールシーズンで無理なく使いたい」車種との相性が良い。
- コンパクトカー:ヤリス、フィット、スイフト、ノート
- ミドルセダン:カローラ、プリウス、インプレッサ
- コンパクトSUV:ヤリスクロス、ヴェゼル、CX-3
- 軽ハイトワゴン:一部14〜15インチ装着車
※ グレードや年式によって純正サイズが異なる場合がある。
※ 積雪地域ではスタッドレスタイヤとの併用が前提。
まとめ
トライアングル SeasonX TA01は、「価格を抑えつつ一年を通して無理なく使える」ことを主眼に設計されたオールシーズンタイヤだ。
- オールシーズン入門として選びやすい価格帯
- 低温ウェットとドライの安定感を重視した設計
- 都市部・非積雪地域での通年使用に向く
- スタッドレス代替ではなく“雪は控えめ”な使い方が前提
雪国での本格的な冬道走行には向かないが、
「冬用と夏用を履き替えるほどでもない」ユーザーにとっては、
現実的で割り切りの効いた選択肢といえる。
コストを抑えながらオールシーズンという選択肢を試したい人には、
SeasonX TA01は十分検討に値する一本だ。
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