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シバタイヤ R23はナンカン CR-S・アドバン A052に本気で挑めるのか?舞洲ジムカーナ48秒840の実測が示す強みと弱点

その他国産タイヤ

【結論】シバタイヤ R23は、柴田自動車が中国レイダンタイヤと二人三脚で作り上げた、深溝設計とサイズラインナップの広さを武器にするハイグリップラジアルだ。

もともとはR31スカイライン専門店だった一台のショップが、既存ブランドを輸入するのではなく自らゼロからタイヤを作るという決断をしたところに、このタイヤの成り立ちの面白さがある。

その走りは伊達ではない。ND5ロードスターでの実測では、大阪・舞洲ジムカーナ74でクラス最速となる48秒840を記録しており、切り返しの多いコースでの評価は高い。

この名鑑では、深溝パターンとコンパウンド選択制という技術の中身から、ナンカン CR-S・アドバン A052との違い、そして2026年に進んだ世代交代の実情まで、R23の実力を一つずつ丁寧に解き明かしていく。

なぜ今、シバタイヤ(SHIBATIRE) R23が支持されているのか

柴田自動車が展開するシバタイヤR23のサイドウォールとトレッドパターン

シバタイヤ R23は、2021年1月17日にブランドが産声を上げた瞬間から存在する、いわば創業パターンだ。

当時はわずか10サイズからのスタートだったが、そこから急速にラインナップを広げていった。

  • 出自と提携の経緯:柴田自動車代表・柴田達寛氏はもともとR31スカイライン専門店を営んでいた人物。既存ブランドを輸入するより自分たちで作った方が納得できるという発想から、2019年8月の上海タイヤエキスポで単身、中国のタイヤメーカー・レイダンタイヤ(RYDANZ、2011年創業)に交渉を持ちかけ、業務提携にこぎつけた。
  • 設計思想の核:深溝パターンでライフを稼ぎつつ、コンパウンドだけを走り方に応じて選べるようにするという発想。同じ骨格のタイヤでも、選ぶゴム配合次第でジムカーナ向けにも耐久レース向けにもなる。
  • 主戦場の明確化:あくまでハイグリップラジアルであり、レース専用のスリックタイヤ(Sタイヤ)とは一線を画す。走行会・ジムカーナ・ドリフトといったモータースポーツシーンを主戦場にしている。
  • 現在地:2023年に登場した上位パターン「R31」、2026年8月に投入された「R31Z」により、グリップ最優先の座はすでに後発モデルへ移っている。実際、R23は売れ行きの鈍いサイズから順次販売終了が進んでいる状況で、世代交代の途上にあるタイヤだ。ただし、切り返しの多いコースでの粘り強さや深溝ゆえのライフの長さは、今なお評価されている。

シバタイヤ R23の技術に見る、ライフとグリップの両立方法

シバタイヤR23の深溝トレッドパターンを接写した画像

骨格となるトレッドパターンと、選択式のコンパウンドという二層構造こそが、R23というタイヤの技術的な核だ。

  • ①深溝設計によるライフ確保:溝の深さを浅溝の後継モデル「R31」より意図的に残すことで、耐久レースや走行会での連続周回に耐えるライフを確保している。溝が浅いほどケース剛性を高めやすくグリップは伸びるが、その分ライフは犠牲になりやすいというトレードオフを、R23はライフ側に振った設計だ。
  • ②コンパウンド選択制(TW=トレッドウェア表記):同じR23パターンでも、グリップ最優先の「200R」、街乗りとサーキットを両立させる「280」、コストと寿命を優先する「TW300」といった複数のゴム配合から選べる。数字が小さいほどグリップ寄りで、ライフは短くなる関係にある。
  • ③ガラス転移点による使い分け:200R系は気温が11℃を下回るとゴムが硬くなりグリップが落ちる一方、280系はマイナス5℃までしなやかさを保つ。冬場でも安定した走りを求めるなら280系を選ぶ、という具体的な判断基準が用意されている。

シバタイヤ R23の性能を数値化する|5項目でみる強みと個性

シバタイヤR23の評価項目とスコアを示す一覧イメージ

点数化しにくいこのタイヤの性格を、あえて数値で整理してみる。
星ではなく5点満点の数値表記で、同価格帯のハイグリップラジアル(アジア製)を基準に、R23がどこに強みを置いているかを一望できるようにした。

このスコアは第三者機関の計測値ではなく、実測レビューとメーカー公表情報をもとにした編集部の相対評価であることを踏まえて見てほしい。

評価項目 スコア 根拠コメント
ドライグリップ 4.0 / 5.0 舞洲ジムカーナでクラス最速48秒840を記録するなど、切り返しの多いコースでの食いつきの良さは折り紙付き。
ウェット性能 3.0 / 5.0 後継の浅溝パターン「R31」の方が排水性能で上回るとされ、雨天時の性能はR23の弱点として繰り返し指摘されている。
ライフ・耐久性 4.0 / 5.0 深溝設計のTW280モデルはハードなサーキット使用でも約4,000km使い切れたという実測があり、同ジャンルのタイヤとしては十分な数字。
扱いやすさ 3.5 / 5.0 縦グリップは高い一方、横方向の挙動にはクセがあるという声が多く、扱いにやや慣れを要する。
コスパ 4.5 / 5.0 同条件のナンカンCR-Sより数千円安く、アドバンA052の概ね半額という価格差は依然として大きな武器。
  • 最大の強み:コスパの4.5。CR-Sやプレミアム帯のA052と比べても、価格の壁の低さは揺るがない。
  • 意外な健闘:ドライグリップの4.0。切り返しの多いテクニカルなコースでは、浅溝のR31を上回る場面も報告されている。
  • 割り切っている点:ウェット性能の3.0。雨天のサーキット走行やジムカーナでは、後継パターンとの比較検討が現実的になる。

シバタイヤ R23とナンカン CR-S・アドバン A052との決定的な違い

シバタイヤR23とナンカンCR-S・アドバンA052を並べた比較イメージ

R23を検討する人が同時に候補に挙げやすいのが、ナンカン CR-Sとアドバン A052だ。

三者とも「ハイグリップラジアル」という括りに入るが、価格帯と開発の出自という軸で見ると、性格はかなり異なる。

比較項目 シバタイヤ R23 ナンカン CR-S アドバン A052
発売時期 2021年1月(ブランド創業パターン、現在は後継モデルへ移行中) 2022年3月(台湾ナンカン、A052を強く意識した設計) A050の後継として投入されたヨコハマのモータースポーツ直系フラッグシップ
ラベリング JATMA非公表、米国式トレッドウェア(TW)表記を採用 UTQG 200AAA(サイズにより変動) 国内向けラベリングを公表
最大の強み 深溝によるライフの長さとコンパウンド選択の自由度 A052に迫る性能を抑えた価格で実現した割安感 モータースポーツ直系ブランドとしての信頼性と限界性能の高さ
性格 素直で扱いやすい万能型、ただし挙動にクセもある A052のパターンを強く意識したバランス型 サーキット志向の強いプレミアム性能型
対象車種 ジムカーナから走行会まで幅広い軽量スポーツカー 86・BRZ・GRヤリスなど幅広い層 ハイパワー・プレミアムスポーツカー中心

三者の立ち位置は、それぞれのメーカー自身の姿勢にも表れている。CR-SはA052のトレッドパターンを強く意識した設計で登場した経緯があり、性能面での接近を狙ったタイヤだ。

一方R23は、A052やCR-Sのような単一モデルではなく、コンパウンド選択制というシバタイヤ独自の仕組みで価格と性能のバランスを取っている。

  • 深溝によるライフとコスパで選ぶならシバタイヤ R23:サイズ展開の広さとコンパウンド選択の自由度を活かし、走行会やジムカーナでコストを抑えながら本数を確保したい人に向く。
  • A052に迫る性能をより手頃に求めるならナンカン CR-S:A052のパターンに近い挙動を、半額前後の価格で味わいたい人の選択肢になる。
  • 限界性能とブランド信頼性を最優先するならアドバン A052:価格は上がるが、モータースポーツ直系ブランドとしての実績と限界グリップを求めるなら、こちらが本命になる。
シバタイヤ R23は、深溝設計とコンパウンド選択制によって、価格を抑えながらもモータースポーツで使えるだけのライフとグリップを両立させたラジアルタイヤだ。
一方で、雨天時の性能や限界域での挙動の素直さでは、CR-SやA052に一日の長がある点も見過ごせない。

⚠️シバタイヤ R23のメリット・デメリット|コスパとサイズ展開は強いが、世代交代の波は禁物

シバタイヤR23のメリットと世代交代によるデメリットを示すイメージ

R23が届けているのは、ある意味で潔い割り切りだ。

得意なシーンと不得意なシーンが、はっきりと分かれている。

⭕メリット:深溝が生む長寿命と、財布に優しい価格

深溝パターンによるライフの長さは、本数をこなす走行会派やジムカーナ常連にとって心強い武器だ。

同条件のCR-Sより数千円、A052より大幅に安いという価格差は、年間で走行会に何度も足を運ぶユーザーほど効いてくる。

1本売りが基本という販売形態も、前後で摩耗ペースが異なるモータースポーツユーザーには扱いやすい。

❌デメリット:挙動のクセ・ウェットの弱さ・廃盤リスク、3つの物足りなさ

①縦グリップに対し横方向の挙動にクセがある

実測レビューでは、CR-Sのような素直な挙動と比べ、限界域での粘りや戻りにクセがあるという声が繰り返し報告されている。

ハイグリップラジアル初心者がいきなり限界を攻めると、戸惑う可能性がある。

②雨天時のグリップは後継パターンに一歩譲る

後継の浅溝パターン「R31」と比べ、ウェット性能では見劣りするという指摘が複数ある。

雨天のジムカーナや走行会が多いユーザーは、この点を織り込んで検討したい。

③欲しいサイズが突然廃盤になるリスクがある

2023年のR31、2026年のR31Z登場という世代交代の影響で、R23は売れ行きの鈍いサイズから順次販売終了が進んでいる。狙っているサイズがあるなら、在庫のあるうちに動くのが安全だ。

ジムカーナのようにコーナリング中の粘りや切り返しが問われるシーンなら十分に戦力になるが、雨天のタイムアタックや最新パターンとの限界性能比較を最優先したい人には、R31・R31Zとの比較検討が現実的だ。

シバタイヤ R23は本当に”街乗りとサーキットを両立できる万能型”なのか?実走レビューと専門家データで検証

シバタイヤR23を装着してサーキットを走行する車両のイメージ

何百件ものみんカラ投稿と、地道に積み上げられた実測ブログのタイム。

R23というタイヤの本当の実力は、この2つの記録を照らし合わせて初めて見えてくる。

ユーザーの声|サーキット・街乗りでの本音

「CR-Sよりタイムは出たが、扱いはクセモノ」

FK2型シビックタイプRオーナーのみんカラ投稿には、245/40R18の200RコンパウンドでもてぎのベストタイムをCR-Sの2分16秒4から15秒7まで更新したという報告がある。

一方で、CR-Sに比べて挙動が素直でなく、初期は攻めきれなかったという率直な声も併記されている。

編集部の見立て:グリップの伸びしろは確かにあるが、その分だけ乗り手に走らせ方を要求するタイヤという印象を裏付けている。

「街乗りではドライもウェットも十分」

街乗り中心でTW300を選んだユーザーのみんカラ投稿では、ドライグリップ・ウェットグリップ・インフォメーション・コントロール性・コスパのいずれも良好で、唯一気になる点は静粛性だけという評価がある。

編集部の見立て:サーキット向けの200Rや280と違い、街乗り主体のTW300では弱点として挙がるのが乗り心地寄りの要素にとどまっている点は、コンパウンド選択制のメリットが素直に出た結果だろう。

専門家の評|2年間の実測データが語る立ち位置

ND5ロードスターラボによる実測比較

ロードスター(ND5)で走行データを積み重ねてきた個人ブログの実測では、R23の200R(185/55R15)がセントラルサーキットで1分32秒357、大阪・舞洲ジムカーナ74ではクラス最速となる48秒840を記録している。

一方、同条件でのモーターランド鈴鹿では後継パターンのR31が0.7秒速いという結果も報告されている。

編集部の見立て:直線区間の少ないテクニカルなコースではR23が健闘する一方、より高い横剛性が問われるコースでは後継モデルに分がある、という棲み分けが実測ベースで裏付けられている。

シバタイヤ R23がおすすめな人と最適な車種

シバタイヤR23が適した軽量スポーツカーのイメージ

切り返しの多いジムカーナや、本数をこなしたい走行会派にとって、R23はコストを抑えながら戦えるという実利がある一本だ。

逆に、雨天のタイムアタックや限界域でのグリップを求めるなら、後継のR31・R31Zに軍配が上がる。

  • ジムカーナ・切り返し中心のドライバー:舞洲ジムカーナでのクラス最速記録が示す通り、コーナリングの粘りを活かせるシーンで力を発揮する。
  • 走行会・耐久レースで本数をこなしたい人:深溝によるライフの長さと1本売りという販売形態が、コストを抑えた運用に向く。
  • この用途なら他モデルが向く人:雨の日のタイムアタックで一秒でも詰めたいなら、R31・R31Zの方が有利な選択になる。
タイヤサイズ 代表車種 価格目安(1本・税込) このサイズを選ぶ理由
185/55R15 ロードスター(ND5)等の軽量FR 実測データではセントラルサーキットで1分32秒357を記録した組み合わせ 軽量スポーツカーのジムカーナ・サーキット走行会で扱いやすい定番サイズ
235/40R18・245/40R18 GR86・BRZ・シビックタイプR(FK2)等 1本1万円台前半〜(TW・サイズにより変動) 18インチのスポーツクーペで日光サーキット等のテストが重ねられている実績サイズ
165/50R16等 軽量コンパクト向け 1本11,330円〜(TW300の実売例) エントリー価格帯でR23を試したい人向けの入門サイズ

※価格は各種通販サイト・専門店の実売価格の目安(2026年時点・税込・1本、工賃・送料別)。サイズによっては廃盤・在庫限りとなっているため、購入前に在庫状況を確認したい。

シバタイヤ R23のスペックとラベリング|サイズ展開と価格帯を総まとめ

シバタイヤR23のスペック表と製品全体のイメージ

メーカー 柴田自動車(SHIBATIRE)
シリーズ R23(愛称:レヴィマックスR23)
モデル R23
発売日 2021年1月17日(ブランド創業時からの初代パターン)
製造 中国・レイダンタイヤ(RYDANZ)への生産委託によるファブレス体制
対象 サーキット走行会・ジムカーナ・ドリフト等のモータースポーツ志向ドライバー
サイズ展開 165/50R16〜295/30R19まで、当初10サイズから拡大(現在は一部サイズで廃盤が進行中)
ラベリング 国内向けJATMAラベリングは非公表。米国式トレッドウェア(TW)表記を採用し、200R・280・TW300等のコンパウンドごとに性格を分けている
価格帯 1本1万円前後〜1万円台後半(TW300の実売例で165/50R16が11,330円〜、215/40R18が14,960円〜)

※価格は2026年時点で複数の通販サイトにて確認した税込・1本価格の目安。購入時は装着予定サイズの在庫状況と最新価格を販売店で確認してほしい。

まとめ:シバタイヤ(SHIBATIRE) R23、深溝が刻む世代交代の記録

シバタイヤR23を装着した車両の走行イメージ

シバタイヤ R23(SHIBATIRE R23)は、柴田自動車とレイダンタイヤという異色の顔合わせから生まれた、深溝とコンパウンド選択制で勝負するハイグリップラジアルだ。

コストを抑えながら走行会やジムカーナの本数をこなしたい人には、この価格差が何よりの決め手になる。
一方で、雨天のタイムアタックや限界域でのグリップに重心を置くなら、後継のR31・R31Zへ目を向けるのが自然な流れだろう。

創業パターンとして生まれ、いま世代交代の波の中に立つR23の姿は、シバタイヤというブランドそのものの成長過程を映し出していると言えるだろう。

「48秒840」の説得力を、後継モデルと名指しライバルで裏取りする

舞洲ジムカーナで叩き出した48秒840ってタイムと、R23が抱える弱点は本文で見えてきたはずだ。

ここからは「R23比0.7秒速い」と噂の後継R31、名指しで比較されたナンカンCR-Sやアドバンa052、そしてブランド全体の立ち位置まで一気に掘り下げていこう。

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