ピレリ スコーピオン ヴェルデ オールシーズンは、SUV向けに設計された“全天候対応型コンフォートタイヤ”。
ドライ・ウェットの操縦安定性と静粛性を軸に、都市部の軽い雪でも走れるバランス設計が魅力だ。
剛性感のある走り味と、ピレリ独自の欧州設計思想を組み合わせた一本で、街乗り+高速移動が多いSUVユーザーに適している。
基本スペック|スコーピオン ヴェルデ オールシーズン

- 発売年:2010年代(欧州SUV市場を中心に展開)
- パターンタイプ:非方向性パターン
- 構造:SUV向け高剛性カーカス/多目的ブロック配置
- ロードインデックス・速度記号:例)103V(235/55R18)
- 適合車種:SUV全般(CX-5/ヴェゼル/ハリアー/RAV4 など)
簡易性能チャート|スコーピオン ヴェルデ オールシーズンの性能傾向

SUV向けの高剛性構造とピレリ独自のコンパウンド設計から、実走性能を専門的に読み解いた。
- ドライ:高め。剛性のあるカーカスとブロック配置により、SUVでもしっかりした直進性と操縦安定性を発揮する。
- ウェット:中〜高。シリカ配合コンパウンドと複合溝配置が排水をサポートし、高速・雨天時でも安定感を維持する。
- 静粛性:中。SUV向けとしては十分静かだが、静粛特化モデルと比べるとノイズはやや大きめ。
- 乗り心地:中。高剛性構造ゆえ、しっとりさより安定感を優先した味つけ。路面の凹凸はある程度拾う。
- 雪(軽雪):最低限〜中。サイプ量とエッジは都市部の軽雪には対応できるが、本格的な積雪路には不向き。
- 寿命:中〜やや長持ち。SUV用途に合わせた摩耗耐性があり、普段使いなら十分な耐久性を持つ。
※ 本チャートはメーカーの公式値ではなく、タイヤの構造・コンパウンド特性から導いた専門的な傾向評価です。
公式データ|スコーピオン ヴェルデ オールシーズン

- 対応規格:M+S(マッド&スノー)、3PMSF
- パターン構造:非方向性パターン(SUV向け高剛性ブロック)
- EUラベル:転がり抵抗:C〜E/ウェット性能:B〜C/ノイズ:クラス2中心
- コンパウンド:シリカ強化オールシーズンコンパウンド(低温柔軟性+耐摩耗性の両立)
- 発売年:2010年代(欧州SUV市場を中心に展開)
開発ストーリー|SUVの“走りの質”を四季に広げるための設計

スコーピオン ヴェルデ オールシーズンは、SUVが持つ重量・重心・走行シーンに合わせて「走りの安定」「全天候対応」「快適性」の3軸をバランスさせる方針で開発された。
ピレリ独自の欧州コンパウンドに加えて、高剛性カーカスと大きめのブロックを組み合わせることで、高速域での安定感と日常の扱いやすさを両立。
都市部の軽雪にも対応しつつ、SUVらしい“しっかり走る”感覚を一年中キープすることを目的に設計されている。
他社比較|静粛型・バランス型・高速安定型で見る立ち位置

SUV向けオールシーズンは「静粛型」「バランス型」「高速安定型」の3カテゴリに整理できる。
スコーピオン ヴェルデ オールシーズンは、その中で“高速安定型寄りのバランス型”に位置づくモデルだ。
① 静粛型(例:ヨコハマ ブルーアース 4S AW21)

静かさ・しなやかさを重視するタイプ。街乗り中心ならこちらが快適で、ピレリよりノイズ・乗り心地は上質。ただし高速安定性は控えめ。
② バランス型(スコーピオン ヴェルデ オールシーズン)

ドライ・雨・軽雪を平均以上にまとめた万能路線。高速域での安心感が高く、都市部のSUVで幅広く使える汎用性が魅力。
③ 高速安定型(例:ミシュラン クロスクライメート 3 SUV)

高速走行と低温ウェットで圧倒的に強いカテゴリー。スコーピオンより総合性能は高いが、価格帯は上がり気味で用途も広がる。
メリット・デメリット|SUVで使う際の特徴を整理

メリット
- 高速域での安定感が高い。SUV向けの高剛性構造により、直進性・操縦性の安心感が強い。
- ドライ・ウェット性能が安定している。シリカ配合コンパウンドと複合溝設計で実用域を幅広くカバー。
- 都市部の軽雪に対応。M+S・3PMSF取得で、うっすら積雪なら問題なく使える。
- SUVサイズの選択肢が豊富。18~20インチを中心に幅広く展開されている。
デメリット
- 静粛性は平均的。快適性より安定性を優先した設計で、ノイズはやや入りやすい。
- 乗り心地はやや硬め。路面の細かな凹凸は拾いやすい。
- 本格的な積雪路は不向き。都市部の軽雪レベルなら対応可能だが、山間部や凍結路は厳しい。
サイズ展開|人気サイズの代表例

- 225/65R17 102H
- 235/65R17 108V
- 225/55R18 98H
- 235/55R18 100V
- 255/55R18 109H
- 235/55R19 101V
- 255/50R19 103V
- 255/45R20 105V
車種別適合(代表純正サイズ)|SUVで装着しやすいモデル

- ミドルSUV:トヨタ RAV4/マツダ CX-5/ホンダ CR-V/三菱アウトランダー など(225/65R17 ほか)
- コンパクトSUV:ホンダ ヴェゼル/トヨタ カローラクロス など(225/50R18・215/60R16 近似サイズあり)
- 大型SUV:トヨタ ハリアー/日産エクストレイル/スバル フォレスター など(225/55R18・235/55R18 ほか)
- プレミアムSUV:レクサス NX/レクサス RX/ボルボ XC60/XC90 など(235/55R19・255/50R20 ほか)
まとめ|SUVを“一年中しっかり走らせたい”人にちょうどいい一本

スコーピオン ヴェルデ オールシーズンは、SUVが求める安定感・全天候性・実用性をバランス良くまとめた万能モデルだ。
高速域での安心感が高く、雨の日や都市部の軽雪でも扱いやすい性能を備えている。
静粛性や乗り心地は平均的だが、SUVらしい“しっかり走る”感覚を一年中キープしたいユーザーにフィットする一本といえる。
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SUVユーザーが次に知っておきたい情報を、タイプや用途が重ならないように厳選した。
スコーピオンベルデ以外のレビューやランキングもオールシーズンタイヤ選びの参考になるはずだ。
- オールシーズンタイヤおすすめランキング2025
SUV・セダン・軽自動車まで最新モデルを総合評価。スコーピオンの立ち位置も把握できます。 - ミシュラン クロスクライメート 3 レビュー
高速安定性・雨の日性能でトップ級のCC3を実走検証。上位モデルの比較に最適です。 - ヨコハマ ブルーアース 4S AW21 レビュー
静粛性が強みの国産オールシーズンを総合テスト。快適性を重視するSUVユーザーに向いています。 - トーヨー セルシアス レビュー
雪に強い国産オールシーズンの実力を走行レビューで解説。冬性能が気になる人におすすめ。


