【結論】アドバン ネオバ AD09(ADVAN NEOVA AD09)は、ヨコハマが「ネオバらしさを追求したストリート最強のスポーツタイヤ」と位置づける、公道最適化ハイグリップの現行フラッグシップだ。9年ぶりのフルモデルチェンジで先代AD08Rから設計を一新し、限界域の挙動を”読める”形に整えている。
みんカラには「AD08Rに比べてタイヤ音が静かになった」「ミシュラン Pilot Sport 4Sより柔らかく感じる」といった乗り換えユーザーの声が複数投稿されており、ハイグリップと日常域の扱いやすさが両立している点は、カタログスペックだけでなく実走の評判としても裏付けられている。
この名鑑では、非対称トレッドの技術的な中身から、POTENZA RE-71RS・DIREZZA Z3との実名比較、実走レビューまで、AD09の実力を一つずつ丁寧に解き明かしていく。
※本記事は2026年8月時点のヨコハマ公式資料・実売データと、みんカラ等のユーザー実走レビューを突き合わせ、編集部が検証・作成しています。
- なぜ今、AD09が”公道最適化ハイグリップ”の答えなのか
- AD09の技術に見る、接地感とコントロール性の両立方法
- AD09の性能を5項目で採点|ドライグリップ・ハンドリング・ウェット・乗り心地・静粛性
- AD09とRE-71RS・ディレッツァZ3との決定的な違い
- ⚠️アドバン ネオバ AD09のメリット・デメリット|限界域の読みやすさは強いが、快適性への過信は禁物
- AD09は本当に”公道で使い切れるハイグリップ”なのか?実走レビューと専門家データで検証
- AD09がおすすめな人と最適な車種|ロードスター・S660クラスとの相性
- AD09のスペックとラベリング|サイズ展開と価格帯を総まとめ
- まとめ:アドバン ネオバ AD09は、限界を読める形で差し出したハイグリップ
- 「完成形」と呼ばれる根拠を、隣り合う候補と比べて確かめる
なぜ今、AD09が”公道最適化ハイグリップ”の答えなのか

AD09は、2022年2月にヨコハマが送り出したストリートスポーツタイヤの主力モデルだ。従来品AD08Rの後継として実に9年ぶりのフルモデルチェンジとなり、ネオバシリーズが掲げる「一番速く、一番楽しい」という哲学を、新しい構造と非対称パターンで引き継いでいる。
開発の出発点
AD08Rはサーキットでも通用する強烈なグリップで支持された一方、路面や温度域によってはピーキーに感じられる場面もあった。AD09では単純なグリップの上積みではなく、限界域までの反応を滑らかにつなぐ方向へ再設計されている。
設計思想の核
ドライバーの入力に対して常に同じ反応を返すこと。急激に破綻するのではなく、グリップの立ち上がりから限界までを予測しやすくすることが最優先とされた。
主戦場の明確化
サーキット専用ではなく、ワインディングや高速道路を含む公道走行が主戦場。極端な温度依存性や一発の速さより、繰り返し走っても崩れにくい再現性が重視されている。
いま選ぶ理由
発売から2026年で4年目に入るが、現時点で後継となる次世代ネオバの発表はない。オートサロンや耐久企画など、ヨコハマ自身のブランドプロモーションでも現行の主力として起用され続けており、”型落ち”どころかいまが旬のモデルだ。
AD09の技術に見る、接地感とコントロール性の両立方法

非対称パターンひとつだけでAD09が成立しているわけではない。トレッドの溝配置に加え、カーカスの新構造とサイドの意匠まで、3つの要素が連動してドライとウェットの両立を支えている。
①非対称トレッドパターン(=IN側とOUT側で役割を分けた設計)
ウェット側となるIN側には太い縦溝とラウンド形状の溝を配置し、縦溝を横切るラグ溝で排水性を確保。一方ドライ側のOUT側は縦溝を細くイン寄りに配置して接地面積を最大化し、連続するリブでトレッド剛性を確保。ラウンドした縦溝で横力を分散し、リブ角の削れも抑えている。
②新構造カーカス
部材から見直した新しい構造と、強さとしなやかさを両立させる新プロファイルを採用。剛性を上げるだけでなく、たわみ方そのものを作り直すことで、限界域の挙動の読みやすさにつなげている。
③新金型加工によるサイドデザイン
サイドウォールのコントラストをより鮮明にする新金型加工を採用。走行性能そのものへの寄与は限定的だが、装着時の見た目のプレミアム感という、公道メインのユーザーには軽視できない要素にも手を入れている。
AD09の性能を5項目で採点|ドライグリップ・ハンドリング・ウェット・乗り心地・静粛性

ここでは星ではなく5点満点の数値表記で、同カテゴリーのハイグリップスポーツタイヤを基準にAD09の個性を整理した。測定機関による絶対値ではない。あくまで公式情報とみんカラの実走投稿を突き合わせた、編集部としての相対的な位置づけである点は先に明かしておく。参考として、TIREHOODのユーザーレビュー平均は4.30(8件、2026年8月時点)だった。
| 評価項目 | スコア | 根拠コメント |
| ドライグリップ | 4.5 / 5.0 | 接地剛性が高く、限界域までの反応が読みやすい。開発時の説明として「ディレッツァZ3≦AD09≦RE-71RS」という序列が装着ユーザーの間で語られており、上位ハイグリップに肉薄する評価が定着している。 |
| ハンドリング応答性 | 4.5 / 5.0 | OUT側の接地面積確保と剛性設計により、ステアリング入力への遅れが小さい。ワインディングでの一体感を評価する声が多い。 |
| ウェット性能 | 3.5 / 5.0 | IN側の排水設計は機能しているが、みんカラの実比較ではブレーキング〜進入は良好な一方、立ち上がりでRE-71RSに一歩譲るという声もある。 |
| 乗り心地 | 3.5 / 5.0 | 剛性重視のため路面の凹凸は伝わりやすいという評価がある一方、AD08Rからの乗り換えでは「柔らかくなった」という実ユーザーの声も複数投稿されており、評価は割れる。 |
| 静粛性 | 3.3 / 5.0 | ロードノイズは発生しやすいというメーカー訴求がある一方、AD08Rからの乗り換えユーザーからは「音が静かになった」という報告も複数あり、比較対象によって印象が大きく変わる項目。 |
最大の強み
ドライグリップとハンドリング応答性の4.5。限界域の挙動が読みやすいという評価が、みんカラの実走レビューでも繰り返し確認できる。
意外な健闘
乗り心地・静粛性は「硬い・うるさい」というメーカー訴求と、「AD08Rより快適になった」という実ユーザーの声が併存する珍しい項目。比較対象の旧タイヤ次第で印象が変わる。
割り切っている点
ウェットの立ち上がり、特にサーキットレベルの限界域ではRE-71RSに一歩譲るという実走比較が存在する。公道の速度域であれば実用上ほぼ問題にならない範囲だ。
AD09とRE-71RS・ディレッツァZ3との決定的な違い

AD09の購入比較でよく名前が挙がるのが、ブリヂストン POTENZA RE-71RSとダンロップ DIREZZA Z3だ。非対称パターンのハイグリップという枠組みは共通でも、どこまでサーキットの限界に寄せるか、価格をどこまで抑えるかという軸で見ていくと、3本の狙いは案外はっきり分かれる。
| 比較項目 | AD09 | RE-71RS | DIREZZA Z3 |
| 発売時期 | 2022年2月(AD08Rの後継、9年ぶりの刷新) | 2020年2月(RE-71Rの後継。2026年には後継のRE-71RZが登場済み) | 2017年2月(サーキット専用のZⅢ CUPとは別モデル) |
| サイズ展開 | 発売時20サイズ→60サイズ(21インチまで拡大) | 63サイズ | 35サイズ(14〜19インチ) |
| ラベリング | 国内向けJATMAラベリングは非公表 | 転がり抵抗係数C・ウェットグリップ性能b(31サイズ) | 非公表 |
| 最大の強み | 公道の速度域で読みやすい、リニアな挙動 | サーキットでの絶対的な速さと接地面積の広さ | 価格を抑えたエントリーハイグリップとしてのバランス |
| 性格 | 公道最適化ハイグリップ | サーキットタイム最優先 | コスパ重視のスポーツエントリー |
みんカラの装着ユーザーが語る性能序列でも、AD09はディレッツァZ3とRE-71RSのあいだに位置づけられることが多く、価格と性能のバランスという実務的なポジションが繰り返し語られている。
公道で使い切れる読みやすさなら
AD09:サーキット専用に寄せすぎず、日常域からワインディングまで一貫したレスポンスを求める人に向く。
コンマ数秒を削る絶対性能なら
RE-71RS:ウェットの立ち上がりや限界域の速さを最優先したいサーキットユーザー向け。すでに後継のRE-71RZも登場しており、最新ラインで揃えたい場合はそちらも視野に入る。
まずは価格を抑えたいなら
DIREZZA Z3:ハイグリップの世界を試したいが、初期投資は抑えたいというユーザーの入り口になりやすい。
ただし、コンマ数秒を削るサーキットの限界域では、RE-71RSに軍配が上がる場面があるという実走比較の存在からは目をそらさないでおきたい。
⚠️アドバン ネオバ AD09のメリット・デメリット|限界域の読みやすさは強いが、快適性への過信は禁物

全方位に強いタイヤ、という触れ込みではない。AD09が力を注いだのは限界域のコントロール性とグリップであり、そのぶん譲歩している部分も隠さず見ておきたい。
⭕メリット:読める挙動と、公道で使い切れるレスポンス
グリップの絶対値だけでなく、滑り出しまでのプロセスが穏やかで、ワインディングや高速域でもタイヤの状態を把握しやすい。ステアリング操作への応答も遅れが少なく、切り始めから旋回中まで挙動が素直だ。サーキット専用タイヤほど尖らせず、公道の速度域で発生する荷重変化を前提に設計されているぶん、日常走行からスポーツ走行まで一貫したフィーリングを保ちやすい。
❌デメリット:快適性とウェット限界域、2つの物足りなさ
①快適性・静粛性は最優先ではない
剛性とグリップを重視しているため、路面の情報は比較的伝わりやすい。AD08Rからの乗り換えでは快適になったという声もある一方、コンフォート系サマータイヤのような乗り味を求める人には物足りなさが残る可能性がある。
②ウェットの限界域はRE-71RSに一歩譲る場面がある
IN側の排水設計自体は機能しているが、サーキットレベルの限界域比較では、コーナー立ち上がりでRE-71RSにやや劣るという実走レビューが存在する。公道の速度域であれば実用上の問題は小さいが、サーキット走行の比重が高い人は候補に入れて検討したい。
公道での攻めた走りを求める人には無理なく応える一本だが、静けさや乗り心地、あるいはサーキットでの絶対タイムを譲れない人は、素直に別の設計思想を持つモデルに目を向けたほうがいい。
AD09は本当に”公道で使い切れるハイグリップ”なのか?実走レビューと専門家データで検証

実際に装着したユーザーの声と、YOKOHAMA自身が発信するプロドライバーの試乗コメント。両方を並べると、AD09がどのユーザー層に刺さっているかが見えてくる。
ユーザーの声|先代からの乗り換えで見えた変化
「08から09へ、性能も快適性も進化してました」
みんカラには、AD08Rから履き替えたユーザーが「乗った瞬間、08に比べてタイヤ音が静かでビックリした。乗り心地もかなりソフトになっている」と評価する声がある。転がり抵抗が下がり燃費も良くなりそう、という報告も添えられている。編集部の見立て:同一ユーザーが同一車両で前後モデルを比較した実感であるぶん、静粛性・快適性の進化を裏付ける材料として説得力がある。
「ウェットの立ち上がりは、71RSに一歩譲る」
みんカラの再レビューには、ディレッツァZⅢ・AD09・RE-71RSの3本を同一条件でウェット比較したユーザーの声がある。ブレーキングから進入・クリップまでは良好だが、「立ち上がりはドライもウェットも変わらずRE-71RSが秀逸」という辛口の評価も記録されている。編集部の見立て:サーキットの限界域という条件付きではあるが、AD09を過大評価せず、RE-71RSとの差を正直に伝えている貴重な比較データだ。
専門家の評|プロドライバーが語るキャラクター
YOKOHAMA公式コンテンツでの試乗評
SUPER GT・GT500クラスで歴代最多となる25勝、2014・2015年にシリーズチャンピオンを獲得した松田次生選手は、YOKOHAMA・ADVANの公式コンテンツでAD09を試乗し、純粋に走りを楽しみたい人にこそ薦めたいという趣旨のコメントを寄せている。編集部の見立て:ブランド自身のタイアップ企画である以上、宣伝目的である点は差し引く必要がある。ただし、実績あるトップドライバーが評価者として起用されている点は、単なる提灯記事とは一線を画す材料にはなる。
AD09がおすすめな人と最適な車種|ロードスター・S660クラスとの相性

スポーツ走行の腕前を公道で試したい人にとって、AD09は数少ない”公道で完結するハイグリップ”の選択肢のひとつだ。
サーキットのコンマ数秒を削ることに主眼を置くなら、RE-71RSや後継のRE-71RZに分があるというのが正直なところだ。
ワインディング・峠を積極的に楽しむドライバー
限界域の挙動が読みやすく、攻めたときの安心感がAD09の持ち味そのまま活きる。
公道メインでたまにサーキット走行も視野に入れる人
サーキット専用タイヤほど尖らせていないぶん、日常域からスポーツ走行まで一貫したフィーリングを保ちやすい。
この用途なら他モデルが向く人
サーキットのタイム短縮を最優先するならRE-71RS(RE-71RZ)、初期投資を抑えてハイグリップを試したいならディレッツァZ3の方が満足度は高い。
| タイヤサイズ | 代表的な装着例 | 価格目安(4本・税込) | このサイズを選ぶ理由 |
| 165/55R15 75V | S660のフロントやロードスター等、軽量スポーツの標準的なサイズ帯 | 約64,240円〜(1本16,060円が目安) | 軽量スポーツカーで接地感を最大限に引き出しやすいサイズ |
| 195/45R16 80W | S660のリアやコペン等、軽量スポーツのインチアップ帯 | 約103,400円〜(1本25,850円が目安) | 接地面積を確保しつつ軽量ボディとのバランスが取りやすい |
| 195/45R17 81W | ロードスターやコンパクトスポーツのインチアップ帯 | 約122,320円〜(1本30,580円が目安) | コンパクトスポーツのハンドリング応答性を引き上げたい層に向く |
※価格はTIREHOODの実売価格・税込(タイヤ本体のみ、工賃・送料別、2026年8月時点)を参照した目安。AD09は最終的に21インチ・60サイズまで展開されているが、在庫・流通状況は販売店により大きく異なる。装着予定のサイズが決まったら、同一規格で最新価格を確認したい。
AD09のスペックとラベリング|サイズ展開と価格帯を総まとめ

| メーカー | ヨコハマゴム(YOKOHAMA) |
| シリーズ | ADVAN NEOVA(アドバン ネオバ) |
| モデル | AD09(エーディーゼロキュウ) |
| 発売日 | 2022年2月1日(日本先行発売。同年中にアジア・北米へ順次展開) |
| 対象 | スポーツカー・ホットハッチ・スポーツセダン(公道スポーツ走行〜スポーツ走行レベル) |
| サイズ展開 | 発売時は275/30R20 97W XL〜165/55R15 75Vの20サイズ。2022年末までに21インチまでを含む計60サイズに拡大 |
| ラベリング | 国内向けJATMAラベリングは非公表(確認できる範囲で個別サイズの等級情報なし) |
| 価格帯 | オープンプライス。TIREHOODの実売例では1本16,060円〜30,580円(2026年8月時点) |
※価格は2026年8月時点でTIREHOODにて確認した税込・1本価格の目安。購入時は装着予定サイズの最新価格・在庫を販売店で確認してほしい。
まとめ:アドバン ネオバ AD09は、限界を読める形で差し出したハイグリップ

アドバン ネオバ AD09(ADVAN NEOVA AD09)は、先代AD08Rの強烈なグリップを、公道で使い切れる形に再定義したモデルだ。ワインディングや高速域で挙動を読みながら攻めたいタイプのドライバーほど、この一本の恩恵を実感しやすいはずだ。
一方で、サーキットでのタイム短縮に振り切りたいなら、RE-71RSや後継のRE-71RZに乗り換えたほうが素直だろう。公道という制約の中で、ハイグリップの限界をどれだけ”扱いやすく”差し出せるか――AD09の個性は、その一点に尽きる。
「完成形」と呼ばれる根拠を、隣り合う候補と比べて確かめる

公道で成立するハイグリップという評価は、ここでおおよそ固まったはずだ。ここからは、同じADVANの中で世代やグレード違いと比べるか、ジャンル最高峰の座を争う他ブランドと突き合わせるかで、納得度を上げていける。
同じADVANの中で、世代・グレード違いと比べる
- ヨコハマ ネオバAD08RとAD09の違い|買い替え判断
先代からどこが進化したのかを知っておくと、あえて旧型を選ぶ理由も見えてくる。 - アドバン フレバ V701 名鑑|公道で走りを楽しむスポーツサマーの定義
そこまでのグリップを求めていない場合、街乗り寄りのグレードとして比較できる。
ジャンル最高峰の座を、他ブランドと比べる
- ポテンザ RE-71RS vs ネオバ AD09を比較|スポーツ性能重視ならどっちが正解?
国産ハイグリップの頂点を争う2台を、正面から比べた結果を確認できる。 - ディレッツァ Z3はなぜ”扱いやすい速さ”なのか?コントロール性とコスパ・弱点を本音で解説
同じ土俵でコストを抑えたい場合の、もう一つの有力な選択肢になる。
隣接ランキングでも、視野を広げておく
- 【2026年】Sタイヤ・ハイグリップラジアルおすすめ10選|通称スリックタイヤの違いから徹底解説
さらに競技寄りの選択肢まで含めると、AD09の立ち位置がどう見えるかを確認できる。 - 峠タイヤおすすめランキング7選!元走り屋が選ぶ「速さ」と「扱いやすさ」の両立モデル【2026年版】
サーキットより公道寄りの使い方を想定した場合の、順位や評価軸の違いを見比べられる。



