ナンカン「AW-1」は、台湾メーカー・ナンカンタイヤが日本市場向けに開発したスタッドレスタイヤ。
氷上での安定感とドライ性能のバランスを追求し、リーズナブルながら確かな制動力を備えた“実用派モデル”だ。
雪が多い地域でも安心して使える信頼性と、アジアンタイヤらしいコストパフォーマンスを両立。
耐摩耗性にも優れており、通勤・長距離ドライブなど日常使いに最適な一品。
実際の氷上制動テストや静粛性の体感レビューは、ナンカン AW-1のレビュー記事で詳しく紹介している。
名鑑とあわせて読むことで、AW-1がなぜ“価格以上に信頼できるタイヤ”と評されるのかがよくわかるはずだ。
基本情報
ナンカン「AW-1」は、アジアンブランドとして知られるナンカンタイヤが開発した乗用車向けスタッドレスタイヤ。
「確かな氷上性能を、より多くのドライバーに」という開発思想のもと、コストパフォーマンスと安全性を両立している。
| メーカー | ナンカン(NANKANG) |
|---|---|
| モデル名 | AW-1(Arctic Winter-1) |
| 発売年 | 2019年 |
| カテゴリ | スタッドレスタイヤ(アジアンブランド) |
| 想定車種 | 軽自動車/コンパクトカー/ミドルセダン |
| タイプ | 方向性パターン(回転方向あり) |
| コンセプト | 「コスパで妥協しない、信頼できるスタッドレス」 |
台湾を拠点にグローバル展開するナンカンは、近年日本の冬路面向けチューニングにも注力。
AW-1は、同社の長年の製造技術とコスパ設計を融合させた“アジアンスタッドレスの完成形”といえる。
開発ストーリー|日本仕様に最適化されたアジアンスタッドレス
ナンカン AW-1は、単なる“安価な海外タイヤ”ではない。
開発の軸にあるのは、「日本の冬道で、安心して止まれるアジアンスタッドレスをつくる」という明確なミッションだ。
ナンカンは台湾を拠点としながらも、北海道や東北地方での実走テストを重ね、日本市場専用のゴム配合とパターン設計を開発。
「寒冷地での柔軟性」「圧雪路での安定性」「ウェット時の制動性」の3点を重点テーマに設計が進められた。
特に氷上性能については、従来モデル(ESSN-1)比で制動距離を約15%短縮。
これはトレッドゴムの低温可塑性と、独自の“3Dラミネート・サイプ構造”による密着性向上の成果だ。
開発陣はAW-1を「日本の冬を走るためのアジアンスタッドレス」と位置づけ、
低価格でありながらも、氷上の信頼性と耐摩耗性を徹底的に磨き上げている。
性能データ|公式テスト値とユーザー評価傾向
ナンカン AW-1は、氷上・雪上性能を確保しながら、価格帯以上の静粛性と耐摩耗性を発揮するコスパ型スタッドレス。
実際のテスト値でも、国産エントリーモデルに迫る安定した結果を示している。
| 性能項目 | メーカー評価 | ユーザーレビュー傾向 | 特徴コメント |
|---|---|---|---|
| 氷上ブレーキ性能 | ★★★★☆ | ★★★★☆ | 国産中位クラスに匹敵する安定性。ABS作動もスムーズでコントロールしやすい |
| 雪上トラクション | ★★★★☆ | ★★★★☆ | 圧雪・新雪ともにしっかりグリップ。特に登坂性能の高さが好評 |
| ウェット性能 | ★★★☆☆ | ★★★☆☆ | 水膜排出は平均的。気温変化が大きい地域ではこまめな空気圧管理が効果的 |
| 静粛性 | ★★★★☆ | ★★★★☆ | アジアンタイヤの中では非常に静か。街乗り中心の人にも好評 |
| 耐摩耗性 | ★★★★★ | ★★★★☆ | 硬めのベースゴムと均一な接地構造でロングライフ性能が高い |
ユーザー評価では、「価格の割にしっかり止まる」「雪道で不安がない」といった声が多く、
スタッドレス初心者やセカンドカー用途でも安心して使えるとのレビューが目立つ。
特徴|氷上でも街でも安定して走れる設計
ナンカン AW-1は、氷上での制動安定性と街乗りでの快適性を両立するため、トレッドパターンからゴムの配合まで徹底的にチューニングされている。
雪国ユーザーはもちろん、都市部でも扱いやすい万能タイプのスタッドレスだ。
3Dラミネート・サイプ構造
氷上でのブロック剛性を確保しながら、接地面をしっかり密着させる立体サイプを採用。
ブレーキング時の“ズルッと感”を抑え、制動距離の短縮に貢献している。
深溝トレッド+ワイドグルーブ
深めの溝とワイドな排水路が雪と水を効率的に排出。
圧雪路・シャーベット・ウェット路など多様な冬路面で安定した接地を実現。
低温可塑性コンパウンド
気温が下がってもゴムが硬くなりにくい特殊シリカ配合。
寒冷地でも柔軟性を保ち、氷上でのグリップ性能を維持する。
静音ブロック配置
タイヤブロックの配置を最適化し、パターンノイズを軽減。
高速走行でも耳障りな共鳴音が少なく、アジアンタイヤとしてはトップクラスの静粛性を実現している。
構造・技術|ロングライフ性能を支える堅牢設計
ナンカン AW-1は、氷雪性能だけでなく「長く使えること」にも重点を置いて設計されている。
コスパ重視のドライバーにとって、耐摩耗性と安定性は非常に重要な要素だ。
高剛性カーカス構造
タイヤ内部のカーカス(骨格)に高密度ナイロンを採用し、剛性としなやかさを両立。
これにより、長期使用でもトレッド変形を抑え、安定したグリップ力を維持する。
強化ショルダー設計
サイドウォール部の剛性を高めることで、旋回時の安定性を確保。
雪道での“ヨレ”を抑え、車体の挙動を安定させる。
マルチコンタクトプロファイル
接地面を均等に分散させる独自のプロファイル形状を採用。
摩耗の偏りを抑え、最後までバランスよく使えるロングライフ構造を実現している。
高耐久ビード構造
ホイールとの密着部分に強化ゴム層を追加し、エア漏れや変形を防止。
高い内圧安定性を保ち、燃費面にも良い影響を与えている。
設計仕様|回転方向・パターン・対応カテゴリー
ナンカン AW-1は、氷上での排水性と安定した直進性を重視した方向性パターンを採用。
明確な回転方向が設定されており、雪道やシャーベット路でのトラクションを高めている。
- 回転方向:あり(方向性パターン)
- パターン構造:V字センターグルーブ+左右非対称ブロック配置
- ローテーション性:前後のみ対応(左右入れ替え不可)
- 対応カテゴリー:軽自動車/コンパクトカー/セダン
- チューブレス規格:全サイズ対応
方向性パターンによって雪や水を効率的に排出し、氷上での“浮き”を防ぐ設計。
その反面、左右の入れ替えはできないため、定期的なローテーション管理が性能維持のカギとなる。
他社比較|国産スタッドレスとの性能・価格差
ナンカン AW-1は、国産スタッドレスに比べて圧倒的なコストパフォーマンスを誇る一方で、氷上性能や静粛性でも一定の水準を確保している。
「価格で選ぶ」ではなく、「性能とコスパの両立」で選べるアジアンスタッドレスとして位置づけられる。
| モデル名 | メーカー | 氷上性能 | 静粛性 | 価格帯(1本) | 特徴・立ち位置 |
|---|---|---|---|---|---|
| AW-1 | ナンカン | ★★★★☆ | ★★★★☆ | 約6,000〜9,000円 | 価格以上の氷上性能を発揮するコスパ型。都市部でも安心して使える |
| BLIZZAK VRX3 | ブリヂストン | ★★★★★ | ★★★★☆ | 約13,000〜18,000円 | 国産最高峰の氷上性能と快適性。価格は高めだが信頼性は抜群 |
| WINTER MAXX 03 | ダンロップ | ★★★★☆ | ★★★★☆ | 約11,000〜15,000円 | 摩耗後も効きが持続するロングライフ型。総合バランスに優れる |
| アイスガード7 | ヨコハマ | ★★★★☆ | ★★★★★ | 約12,000〜16,000円 | 静粛性特化の国産モデル。雪が少ない地域でも快適 |
国産勢と比較すると、AW-1は「半額以下の価格」で「8割以上の性能」を発揮する実力派。
特に“毎日使う通勤車”や“セカンドカー用スタッドレス”としての導入メリットが大きい。
サイズ展開|対応車種と公式リンク
ナンカン AW-1は、12〜18インチまでの幅広いラインナップを展開。
軽自動車からセダン、SUVの一部サイズまでをカバーしており、コスパ志向の幅広いユーザーに対応している。
| 対応インチ | 12〜18インチ |
|---|---|
| 主な対応車種 | タント・N-BOX・ヤリス・カローラ・ノート・フィット・インプレッサなど |
| 対応カテゴリー | 軽自動車/コンパクトカー/セダン |
| XL(高荷重対応) | 一部サイズで設定あり |
ナンカンは、近年日本市場での展開サイズを拡大しており、
AW-1も軽自動車から中型車までをしっかりカバー。
高荷重対応(XL規格)モデルもあるため、ハイブリッド車や重量級セダンでも安心して使用できる。
メリット・デメリット|コスパ派に刺さる実用性能
ナンカン AW-1は、低価格ながら雪道での安定性や静粛性に優れた“価格破壊型スタッドレス”。
ただし、気温が極端に下がる地域では国産モデルとの差も見えるため、使う環境に合わせて選ぶのがポイントだ。
メリット
- 価格の割に高い氷上性能と制動安定性を発揮
- 国産モデルに迫る静粛性で街乗りも快適
- 非対称+方向性パターンによる高い排水性能
- 耐摩耗性が高く、長距離通勤にも向く
- 軽・コンパクト・セダンなど幅広い車種に対応
デメリット
- 極寒地域や氷膜路では国産上位モデルに劣る
- 販売店舗が限られ、購入ルートがやや少ない
- 左右ローテーション不可のためメンテナンスに注意が必要
総合的に見るとAW-1は、「都市部中心だけど雪道も走る」ユーザーにベストマッチ。
通勤・買い物・スキーシーズンなど、あらゆるシーンを“手軽にカバーできる安心の一本”といえる。
まとめ|AW-1はこんな人におすすめ
ナンカン「AW-1」は、コスパと信頼性のバランスが取れた“実力派アジアンスタッドレス”。
低価格帯ながら、氷上・雪上での安定感、静粛性、耐久性のすべてが高水準にまとまっている。
- スタッドレスの初導入で、コスパ重視の人
- 都市部中心だけど、雪の日の通勤や帰省に備えたい人
- 静かで乗り心地の良いアジアンタイヤを探している人
- セカンドカーや軽自動車用に安定した冬タイヤが欲しい人
- 「安かろう悪かろう」に不安を感じるが、予算は抑えたい人
“価格で選ぶ時代”から“コスパで選ぶ時代”へ。
ナンカン AW-1は、その転換点を象徴するタイヤだ。
日常から雪道まで、賢く安全に走りたいすべてのドライバーにおすすめできる。
氷上テスト結果や耐久性の実走データは、レビュー記事で詳しく解説している。
よりリアルな走行フィーリングを知りたい人はぜひチェックしてほしい。
▶ ナンカン AW-1のレビュー記事はこちら
関連記事|AW-1の比較・検討に役立つ記事まとめ
コスパ・耐久性・氷上性能のバランスで選ぶなら、ナンカン AW-1は外せない存在。
ここでは、他のアジアンブランドや国産モデルと比較しながら、自分に合う一本を見極められる関連記事を紹介する。
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