ケンダ「KR36 icetec neo(アイステックネオ)」は、台湾の大手タイヤメーカー・ケンダが開発したスタッドレスタイヤ。
氷上グリップと耐摩耗性のバランスに優れ、アジアンブランドながら信頼性の高い“実力派モデル”として人気を集めている。
- 氷上性能を高めるナノシリカコンパウンドを採用
- 排雪・排水性に優れるV字型トレッドパターン
- 価格を抑えつつも、国産に迫る安定したブレーキ性能
アジアンタイヤの中でも特に日本市場を意識して設計されており、
氷上制動や雪上トラクションなど実用性能に定評がある。
実走テストや制動データの詳細は、KR36 icetec neoのレビュー記事で詳しく解説している。
基本情報|日本市場を意識したバランス型スタッドレス
ケンダ「KR36 icetec neo(アイステックネオ)」は、台湾のケンダタイヤが日本・韓国・北欧の市場を意識して開発したスタッドレスタイヤ。
氷上グリップ・雪上トラクション・静粛性・耐摩耗性のすべてをバランスよく備え、
価格を抑えながらも“走れる安心感”を実現している。
| メーカー | ケンダ(KENDA Tires) |
|---|---|
| モデル名 | KR36 icetec neo(アイステックネオ) |
| 発売年 | 2020年 |
| カテゴリ | スタッドレスタイヤ(乗用車向け) |
| 想定車種 | 軽自動車/コンパクトカー/セダン |
| トレッドパターン | 方向性パターン(回転方向あり) |
| コンセプト | 「コスパで選べる、信頼の氷上スタッドレス」 |
KR36は、欧州や日本の厳しい冬路面を想定した独自開発モデル。
ケンダが持つグローバル製造技術を活かし、低価格帯ながらも安定した氷上制動性能と耐摩耗性を両立している。
開発ストーリー|“日本品質”を目指した氷上テクノロジー
KR36 icetec neoは、ケンダが掲げる「アジアンタイヤ=低価格だけではない」を体現するモデルとして誕生した。
従来モデル「KR27」から氷上性能を大幅に強化し、特に日本や韓国など積雪地域のユーザーを主要ターゲットに設定している。
開発拠点は台湾本社に加え、寒冷地テスト拠点をカナダ・スウェーデンに設置。
実際の氷上路面でブレーキ・旋回・発進を繰り返し検証し、国産スタッドレスに匹敵する安定感を目指した。
特に注目すべきは、ケンダが日本の道路事情を徹底的に研究した点。
雪解け路面・アイスバーン・シャーベットといった多様な冬路面を想定し、
柔軟性と剛性をバランスさせたコンパウンドと、深溝パターンによる排雪性を両立している。
「日本の冬でも、手が届く価格で安心して走れるスタッドレスを届けたい」。
この思想が、KR36の設計思想すべての出発点となっている。
性能データ|氷上・雪上・ドライでの実測バランス
KR36 icetec neoは、アジアンタイヤの中でも氷上性能を重視して設計されたモデル。
独自のナノシリカ配合コンパウンドとV字型トレッドパターンにより、
氷上での制動距離を従来比で約12%短縮し、発進時のトラクション性能も向上している。
| テスト項目 | 評価(5段階) | 特性 |
|---|---|---|
| 氷上ブレーキ性能 | ★★★★☆ | 低温下でもグリップを維持。安定した制動力を発揮 |
| 雪上トラクション | ★★★★☆ | 深溝+V字ブロックにより雪噛みが強い |
| ドライ路面安定性 | ★★★☆☆ | 剛性はやや控えめ。市街地走行中心なら問題なし |
| 静粛性 | ★★★☆☆ | 価格帯相応。国産上位モデルより若干ノイズ多め |
| 耐摩耗性 | ★★★★☆ | ゴム硬化が遅く、長期使用にも強い |
氷上グリップと耐久性の両立は、同価格帯のアジアンタイヤでは突出したレベル。
高速域での静粛性やステアリング剛性では国産に劣る部分もあるが、
冬の安全性を第一に考えるなら十分な性能を発揮する。
特徴|V字トレッドが雪を掴み、氷を離す
KR36 icetec neoの最大の特徴は、ケンダ独自の「V字トレッドパターン」と「ナノシリカコンパウンド」。
これにより、氷上でのグリップ力と雪上でのトラクション性を両立している。
1. V字トレッドパターンによる高い排雪性能
雪を抱え込みにくいV字パターンを採用。
氷雪路でタイヤが雪を掴み、同時に排出することでグリップを持続させる設計。
ブレーキ時や発進時に路面との摩擦を最適化し、安定した制動力を発揮する。
2. ナノシリカ配合の柔軟コンパウンド
低温環境でもゴムが硬化しにくいナノシリカコンパウンドを採用。
氷上でしっかりと路面に密着し、摩耗が進んでも性能を維持する。
3. クロスラミネートサイプ構造
複数方向に刻まれた細かなサイプ(切れ込み)が、エッジ効果を最大化。
氷上での横滑りを防ぎ、旋回時の安定感を高めている。
4. ワイドコンタクト設計
接地面を広く取ることで、積雪路でもトラクションを逃さない。
四輪駆動車だけでなく、FF車や軽自動車でも安定した発進をサポートする。
構造・技術|剛性を保ちながら柔軟に密着する内部設計
KR36 icetec neoは、氷上グリップを確保しつつ、冬場の走行安定性を高めるために内部構造も強化されている。
軽量車から中型車まで対応できるよう、剛性と柔軟性をバランスさせた構造設計が特徴だ。
高密度スチールベルト構造
トレッド内部に高密度スチールベルトを2層配置。
接地面のたわみを抑え、氷上での接地圧を均一化することで安定した制動力を実現する。
柔軟サイドウォール設計
サイド部には耐寒性の高いゴムを採用し、低温下でもしなやかさを維持。
凍結路での微振動を吸収し、ステアリング操作の応答性を高めている。
最適化コンタクトプロファイル
接地形状を最適化することで、ブレーキ時の荷重移動をスムーズに分散。
偏摩耗を防ぎ、長期間安定した性能を発揮する。
静粛性向上チューニング
ブロック剛性を変化させたマルチピッチデザインを採用。
アジアンタイヤに多いロードノイズを抑制し、都市部での快適性を向上させている。
設計仕様|幅広い車種に対応する万能スタッドレス
KR36 icetec neoは、軽自動車から中型セダンまで対応する設計で、
都市部から積雪地域まで幅広いユーザー層をカバーする万能スタッドレス。
コスパと実用性を両立する構造設計が特徴だ。
| パターンタイプ | 方向性パターン(回転方向あり) |
|---|---|
| 構造 | ラジアル構造(チューブレス) |
| トレッド構成 | V字トレッド+クロスサイプ構造 |
| 対応車種 | 軽自動車・コンパクトカー・セダン |
| スピードレンジ | Q(160km/h) |
| 製造国 | 台湾 |
柔軟なコンパウンドにより、軽量車でも接地性を確保。
一方で、剛性のある内部構造が中型セダンにも対応するため、
都市走行から長距離移動まで安定したパフォーマンスを発揮する。
また、KR36は燃費にも配慮された低転がり設計。
冬場の燃費悪化を抑えたいユーザーにも適したモデルとなっている。
他社比較|アジアン勢の中でも安定志向の一本
KR36 icetec neoは、アジアンブランドの中でも氷上安定性を重視した設計が特徴。
「価格重視」モデルというよりは、“実用安全性を確保したコスパ系スタッドレス”という立ち位置にある。
| モデル名 | 氷上性能 | 雪上性能 | 静粛性 | 価格帯(1本) | 特徴 |
|---|---|---|---|---|---|
| ケンダ KR36 icetec neo | ★★★★☆ | ★★★★☆ | ★★★☆☆ | 約6,000〜8,000円 | V字パターン+ナノシリカで安定志向。氷上性能に定評あり |
| ナンカン ESSN-1 | ★★★☆☆ | ★★★★☆ | ★★★☆☆ | 約5,000〜7,000円 | 柔らかめコンパウンド。雪上向きで街乗りに最適 |
| ネクセン Winguard Ice2 | ★★★★☆ | ★★★☆☆ | ★★★☆☆ | 約7,000〜9,000円 | 氷上ブレーキ性能は高いが摩耗はやや早め |
| ハンコック Winter i*cept iZ2A | ★★★★★ | ★★★★☆ | ★★★★☆ | 約9,000〜12,000円 | 高性能志向。氷上安定性ではアジアン随一 |
KR36は、ナンカンよりも氷上安定性が高く、ネクセンよりも耐摩耗性に優れる。
そのため「価格を抑えつつも、氷上で安心して止まれるタイヤを選びたい」ユーザーに最適。
性能バランスの良さと入手性の高さが評価されている。
サイズ展開|主要サイズと対応車種
KR36 icetec neoは、軽自動車からコンパクトカー、セダンまで幅広く対応するサイズラインナップを展開。
日本市場を強く意識しており、主要国産車の純正サイズを中心にカバーしている。
| 主要サイズ例 | 対応車種イメージ |
|---|---|
| 155/65R14 | N-BOX/ワゴンR/ムーヴ/タント |
| 165/65R14 | デイズ/ミラ/スペーシア |
| 175/65R15 | フィット/ヤリス/ノート |
| 185/65R15 | カローラフィールダー/アクア/デミオ |
| 195/65R15 | プリウス/シエンタ/インプレッサ |
| 205/55R16 | カローラツーリング/グレイス/アクセラ |
価格帯は1本あたり約6,000〜9,000円前後とリーズナブル。
軽自動車やコンパクトカー向けの小径サイズが中心で、
初めてのスタッドレス選びやセカンドカー用にも適している。
最新のサイズラインナップや在庫状況は、ケンダ公式サイトで確認可能。
▶ ケンダ公式サイト:KR36 icetec neo 製品ページ
メリット・デメリット|“氷上重視派”に向く実用コスパタイヤ
KR36 icetec neoは、アジアンタイヤの中でも「氷上で止まれること」を第一に考えた設計。
静粛性や高速安定性よりも、冬の安全性を重視するユーザーに向いている。
メリット
- 氷上ブレーキ性能が高く、滑りにくい安心感がある
- ナノシリカ配合で経年劣化に強く、長期間性能を維持
- 雪上でもトラクションを確保し、発進時のもたつきが少ない
- 国産に比べ価格が半額程度でコスパが高い
- V字トレッドによる排雪性が良く、雪道でも安定して走れる
デメリット
- 高速走行時の静粛性は国産上位モデルに劣る
- サイド剛性がやや柔らかく、ステアリングレスポンスは控えめ
- 氷点下以外の乾燥路ではグリップがやや軽めに感じる
KR36は「街乗り中心+積雪地での安全重視」タイプのユーザーに最適。
スタッドレスを“保険”ではなく“実用装備”として使いたい人にとって、
必要十分な性能を持つ一本といえる。
まとめ|KR36 icetec neoはこんな人におすすめ
ケンダ「KR36 icetec neo(アイステックネオ)」は、氷上性能を重視したアジアンスタッドレスの中でも、
“価格以上にしっかり止まる”実力を持つモデル。
雪道・凍結路での安心感とコストパフォーマンスの高さが、多くのユーザーに支持されている。
- 冬の通勤・送迎で雪道を走る軽・コンパクトカーオーナー
- 「国産は高いけど、氷上性能は妥協したくない」人
- セカンドカー・通勤車など、スタッドレスを手頃に導入したい人
- 雪道やアイスバーンが多い地域で、価格と性能のバランスを重視する人
- 低温下でも安心して走りたい“氷上重視派”ユーザー
KR36は、“値段の割にしっかり止まる”を体現したアジアンスタッドレス。
ナノシリカゴムとV字トレッドがもたらす氷上グリップは想像以上に安定しており、
価格重視の冬タイヤ選びで迷ったら、まず検討すべき一本といえる。
詳しい実走データや装着レビューは、KR36 icetec neoのレビュー記事でチェックできる。
関連記事|KR36の比較・検討に役立つ記事まとめ
KR36 icetec neoを検討しているなら、同価格帯のアジアンスタッドレスや国産入門モデルとも比較してみよう。
氷上性能・寿命・価格のバランスを見比べることで、自分に合った一本が見つかるはずだ。
- ▶ ケンダ KR36 icetec neo レビュー
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