ヨコハマタイヤ「iceGUARD SUV G075(アイスガード ジーゼロナナゴ)」は、SUV・4WD専用に設計されたスタッドレスタイヤ。氷上性能と静粛性を高い次元で両立し、街乗りから雪道まで安定して走れるバランスモデルだ。
ヨコハマが長年培ってきた「吸水スーパーコンパウンド」技術を進化させ、氷上での密着力を大幅に向上。さらにSUV特有の重量に合わせた剛性設計により、直進安定性と乗り心地も両立している。
実際の走行性能や氷上ブレーキテストの詳細は、G075のレビュー記事で詳しく紹介している。名鑑とあわせて読むことで、SUVでの実際のグリップ感や静粛性をより深く理解できるはずだ。
基本情報
ヨコハマ アイスガードSUV G075は、同社のスタッドレスシリーズ「iceGUARD」から派生したSUV・4WD専用モデル。氷上グリップと静粛性を両立し、街乗りSUVにも快適に使える設計が特徴だ。
| メーカー | ヨコハマタイヤ(YOKOHAMA) |
|---|---|
| 発売年 | 2018年 |
| カテゴリー | SUV・4WD専用スタッドレスタイヤ |
| 主要サイズ | 15〜22インチ |
| 製造国 | 日本 |
同シリーズの乗用車向け「iceGUARD 7」と比べ、G075はブロック剛性・ベルト構造・接地圧制御などがSUV仕様に最適化されている。舗装路でも扱いやすく、氷上性能と乗り心地を両立する万能型スタッドレスだ。
開発ストーリー|SUVの静粛性と氷上性能を両立せよ
ヨコハマ アイスガード SUV G075は、「氷上性能だけでなく、街乗りSUVでも快適に使えるスタッドレスを」というユーザーの声から生まれた。SUVの重量と静粛性要求の両立という難題を解決するため、ヨコハマは新しい方向性を打ち出した。
開発のテーマは、“止まる力”と“静かさ”の共存。従来モデルではブロック剛性を高めると騒音が増えるという課題があったが、G075では独自のトレッド構造「V字センターグルーブ」を採用し、氷上での排水性と静粛性の両方を実現した。
さらに、コンパウンドには「スーパー吸水ゴム」を採用。氷上の水膜を吸着・除去することで密着力を高め、SUVの重い車体でも安定してブレーキ性能を発揮する。テストは北海道の名寄や欧州の雪上試験場で実施され、氷上性能とドライ安定性のバランスが徹底的に検証された。
こうして完成したG075は、氷上性能・静粛性・ドライ安定性を兼ね備えた“SUV専用万能スタッドレス”。都会と雪国の両方で使えるスタッドレスとして、多くのSUVユーザーに支持されている。
性能データ|氷上性能と静粛性のバランスを証明
ヨコハマの社内比較テストによると、G075は従来モデルG073に比べて氷上ブレーキ性能を8%向上、パターンノイズを10%低減。氷上・雪上・ドライすべてのシーンで性能を底上げしている。
| テスト項目 | G073 | G075 | 改善率 |
|---|---|---|---|
| 氷上制動距離 | 100% | 約92% | 約8%短縮 |
| 雪上制動距離 | 100% | 約95% | 約5%短縮 |
| パターンノイズ | 100% | 約90% | 約10%低減 |
| ドライ安定性 | 100% | 約105% | 約5%向上 |
氷上性能を高めながらも、静粛性とドライ安定性をバランス良く維持しているのがG075の強み。特に都市部での舗装路走行時でもスタッドレス特有の“ゴー音”が抑えられており、快適なドライブが可能だ。
特徴|G075を支える3つのコア技術
G075は、氷上グリップ・静粛性・安定性を高次元で両立するため、ヨコハマ独自の3つのコア技術を採用している。SUV専用設計ならではの高剛性構造と吸水性能が、あらゆる冬道での安心感を支えている。
1. スーパー吸水ゴム|氷上の水膜を確実に除去
ヨコハマが誇る吸水技術を進化させた「スーパー吸水ゴム」を採用。氷上で発生する水膜を効果的に吸着・除去し、SUVの高荷重下でも安定した制動力を確保する。
2. V字センターグルーブ|氷上排水と静粛性を両立
トレッド中央に配置されたV字グルーブが氷上の水をすばやく排出し、ハイドロプレーニングを抑制。さらに音の共鳴を抑えるパターン配置により、舗装路での走行音も低減している。
3. SUV専用高剛性ベルト構造|安定感と快適性を両立
SUVの重量を支えるために設計された高剛性ベルト構造を採用。氷上・雪上だけでなく、高速道路でもふらつきを抑え、静かで安定した走行を実現する。
これら3つの技術が連携することで、G075は「静粛性」「氷上性能」「安定性」をすべて高いレベルで兼ね備えるSUV専用スタッドレスに仕上がっている。
構造・技術|SUV重量に最適化された内部設計
G075は、SUVの重い車体と高い重心に対応するため、内部構造から専用設計が施されている。氷上性能だけでなく、高速道路やドライ路面での安定感を重視した構造が特徴だ。
高剛性2層ベルト構造|ふらつきを抑えた安定走行
タイヤ内部に2層のスチールベルトを配置。SUV特有の重さによる横揺れを抑え、ハンドル操作に対する応答性を高めている。雪道から高速まで安定感が持続する。
均一接地カーカス構造|偏摩耗を防いで長寿命化
接地面の圧力を均一に分散させるカーカス設計を採用。外側だけが減る偏摩耗を抑え、氷上性能の持続とタイヤ寿命の延長に貢献している。
静音チューニングサイドウォール|ロードノイズを吸収
サイドウォールの厚みと剛性を最適化し、路面からの振動やノイズを軽減。大型SUVでも快適な乗り心地を維持し、長距離ドライブでも疲れにくいフィーリングを実現する。
これらの構造技術により、G075は重量級SUVの安定性と静粛性を両立。雪国だけでなく都市部SUVユーザーにも安心して選ばれる理由がここにある。
設計仕様|使いやすさとローテーション性
ヨコハマ アイスガード SUV G075は、日常的なメンテナンスやローテーションのしやすさも考慮された実用設計。長く使うSUVタイヤだからこそ、整備性と耐久性にこだわっている。
- 回転方向:なし(非方向性)
- パターン構造:左右対称パターン
- サイドウォール表記:INSIDE/OUTSIDEなし
- XL(エクストラロード)規格対応:全サイズ対応
非方向性パターンの採用により、前後・左右どちらの位置にも入れ替えが可能。SUV特有の偏摩耗を防ぎ、氷上性能を長期間維持できる。また、全サイズでXL規格に対応しているため、大型SUVでも高い耐荷重を確保している。
他社スタッドレスとの比較
ヨコハマ アイスガード SUV G075は、氷上性能・静粛性・ドライ安定性を高いバランスで両立したSUVスタッドレス。競合モデルと比較すると、その方向性の違いがはっきり見えてくる。
| モデル名 | メーカー | 氷上性能 | 静粛性 | 耐摩耗性 | 特徴・立ち位置 |
|---|---|---|---|---|---|
| iceGUARD SUV G075 | ヨコハマ | ★★★★☆ | ★★★★★ | ★★★★☆ | 静粛性と氷上性能のバランスを追求した万能SUVモデル |
| BLIZZAK DM-V3 | ブリヂストン | ★★★★★ | ★★★★☆ | ★★★★☆ | 氷上性能特化の王道SUVスタッドレス。安定性重視 |
| WINTER MAXX SJ8+ | ダンロップ | ★★★★☆ | ★★★★☆ | ★★★★★ | 耐摩耗性とコスパに優れるロングライフ設計 |
| LATITUDE X-ICE SNOW | ミシュラン | ★★★★☆ | ★★★★★ | ★★★★☆ | 欧州発の快適性・静粛性重視モデル。輸入SUV向け |
| OBSERVE GSi-6 LS | トーヨー | ★★★★☆ | ★★★★☆ | ★★★★☆ | 雪上・ドライ性能を重視したバランス型SUVスタッドレス |
静粛性ではG075が最も高く、氷上制動力はDM-V3に次ぐ実力。耐摩耗性ではSJ8+が優位だが、快適性・安心感・価格バランスの面でG075は非常に優秀なポジションにある。
サイズ展開|幅広いSUVに対応する多サイズ構成
ヨコハマ アイスガード SUV G075は、15〜22インチまでの幅広いサイズを展開。コンパクトSUVからフルサイズSUVまで、あらゆる車種に対応するラインナップが揃っている。
主要適合車種は、ヤリスクロス・ヴェゼル・CX-5・ハリアー・RAV4・フォレスター・エクストレイル・ランドクルーザー・プラド・パジェロなど。国産・輸入SUV問わず装着可能だ。
最新のサイズラインナップ・価格・対応車種は、以下の公式サイトで確認できる。
▶ ヨコハマ公式サイト|iceGUARD SUV G075 製品ページ
また、氷上性能をより重視するなら「ブリザックDM-V3」、耐摩耗性を重視するなら「ウィンターマックスSJ8+」も検討してみてほしい。
メリット・デメリット
ヨコハマ アイスガード SUV G075は、氷上性能だけでなく快適性や静粛性にも優れたバランス型SUVスタッドレス。用途や走行環境によっては他モデルの方が合う場合もあるため、特徴を整理しておこう。
メリット
- 氷上・雪上・ドライすべてに対応する高い総合性能
- スタッドレス特有の走行ノイズを抑えた静粛性
- 偏摩耗を抑える均一接地設計で長寿命
- SUV専用構造による安定したハンドリング
- 輸入SUV・国産SUV問わず幅広いサイズ展開
特に街乗り中心のSUVユーザーには理想的。氷上でもしっかり止まりつつ、日常走行時の快適さも犠牲にしない“上質な万能スタッドレス”といえる。
デメリット
- 氷上制動の絶対値はブリザックDM-V3に一歩譲る
- 価格帯は中〜上位レンジでコスパ重視にはやや不向き
- スポーツSUVではややマイルドなハンドリングフィール
G075は快適性重視のチューニングのため、キビキビとした応答性や硬い接地感を求める人には合わない。ただし、“冬を安全に、静かに走りたいSUVユーザー”にはベストバランスな選択だ。
まとめ|静かさと氷上性能を両立したSUV専用スタッドレス
ヨコハマ アイスガード SUV G075は、氷上性能・静粛性・安定性をすべて高水準でまとめ上げた万能SUVスタッドレス。冬の安全性を守りながら、都市部での快適な走行フィーリングも妥協しない設計が魅力だ。
氷上では確実に止まり、街乗りでは静かに走る。その両立を実現したG075は、ヨコハマの吸水ゴム技術とSUV専用構造の結晶といえる存在。通勤や送迎メインのユーザーはもちろん、雪国でのロングドライブにも安心して使える。
快適さと安心感を両立したいSUVユーザーにとって、G075は“ちょうどいい選択肢”。実際の走行フィーリングや雪上テストの詳細は、G075のレビュー記事で紹介している。名鑑とあわせて読むことで、よりリアルな性能理解が得られるはずだ。
関連記事|SUVスタッドレスを徹底比較
氷上性能・寿命・静粛性…。SUVタイヤを選ぶなら、実力を“数字と実走データ”で見極めよう。G075と競合モデルを徹底的に比較した記事はこちら。
- ▶ 【比較】DM-V3 vs G075|氷上性能・静粛性・寿命を徹底検証
氷上性能で差をつけるのはどっち?ブリヂストンとヨコハマのSUVスタッドレスをガチ比較。 - ▶ ダンロップ ウィンターマックス SJ8+ レビュー
耐摩耗性に定評あり。雪にも舗装路にも強いSUVロングライフスタッドレス。 - ▶ ミシュラン X-ICE SNOW 名鑑
欧州SUVの定番。静粛性と氷上性能を高次元で両立するプレミアムモデル。 - ▶ ブリザック DM-V3 レビュー
氷上ブレーキ性能の高さが魅力。SUVスタッドレスの王道モデルを詳しく解説。


