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古いスタッドレスタイヤを夏も履きっぱなしにするのはアリ？メリットと危険性を徹底解説

コラム

冬が終わっても、「まだ溝あるし、夏もこのままでいいか…」とスタッドレスタイヤを履き続ける人は意外と多い。

確かに、古いスタッドレスを“夏タイヤ代わり”に履き潰すのは違法ではない。けれど、安全面や走行性能のリスクを知らずに使い続けるのはかなり危険だ。

この記事では、古いスタッドレスタイヤを夏タイヤとして履くメリットとデメリットを、できるだけわかりやすく解説していく。

スタッドレスタイヤの寿命を見分けるポイント

まずは「そもそも今のスタッドレス、まだ使えるの？」という基本から。

冬タイヤとして寿命が尽きているかを判断するには、以下の2つをチェックしておこう。

① プラットホームをチェック

スタッドレスの溝の中には「プラットホーム」と呼ばれる突起がある。これはタイヤが新品時から50％摩耗したサイン。

このプラットホームが露出している＝スタッドレスとしての性能はすでに低下している状態。雪道ではほぼ効かないレベルだ。

② スリップサインの露出

溝の底にある小さな山が「スリップサイン」。これがトレッド面と同じ高さになったら、法的にも使用限界（1.6mm以下はアウト）。

この状態では、スタッドレスとしても夏タイヤとしても使えない。濡れた路面ではハイドロプレーニングを起こしやすくなるので絶対に注意だ。

スタッドレスを夏タイヤ代わりに履くメリット

 

では、あえて履き続ける人が多いのはなぜか。理由を整理してみよう。

      • 夏タイヤの交換時期が近く、どうせならスタッドレスを履き潰したい
      • 車に乗る頻度が少なく、性能よりコストを優先したい
      • 毎年スタッドレスを買い替えるため、夏タイヤの出番がない
      • 単純にタイヤ交換が面倒

結局のところ「交換コストを浮かせたい」というのが最大のメリット。

確かに一時的には経済的だが、これが“安全性を犠牲にした節約”になっていないかは考えたいところだ。

スタッドレスを夏も履き続ける6つのデメリット

 

ここからが本題。スタッドレスタイヤを夏タイヤ代わりに履くと、実はこれだけのリスクがある。

燃費が悪化する

スタッドレスは雪道でしっかり噛むよう柔らかく作られている。
その分、路面抵抗が増えるので、夏タイヤに比べて燃費はおおよそ10％悪くなる。

「ガソリン代がかえって高くついた…」なんてこともあり得る。

ハンドリングが鈍くなる

柔らかいゴムはカーブで踏ん張りがきかず、ステアリング操作に“遅れ”が出る。
いつもの感覚で曲がると大回りになったり、ふらついたり…。

特に高速道路や山道では危険度が増すので、スピードには要注意だ。

ブレーキ性能が落ちる

柔らかいトレッドはブレーキの力をしっかり受け止められず、制動距離が長くなる。

急ブレーキ時は想定より止まらないこともあり、雨の日はさらに危険だ。

ハイドロプレーニングが起きやすい

スタッドレスの溝は吸水性重視。雨天時は逆に“水を抱え込みすぎて”排水性が低下する。

その結果、タイヤが浮いてハンドルを取られるハイドロ現象が起きやすくなる。

ゴムが早く劣化する

夏の高温路面はスタッドレスにとって過酷。
柔らかすぎるゴムが溶けるように摩耗し、片減りや偏摩耗を招く。

さらに紫外線と熱でゴムが硬化し、冬タイヤとしての性能も一気にダウンしてしまう。

バースト（破裂）のリスク

炎天下での長距離走行や高速道路走行では、タイヤ内部が熱を持ちすぎてバーストする可能性も。

一度破裂したタイヤは修復不可。最悪の場合、車両のコントロールを失って重大事故にもつながる。

Q&A｜スタッドレスタイヤの履きっぱなしに関する疑問に答える

「スタッドレスを夏まで履いてもいい？」「どこまでなら大丈夫？」——そんな疑問を持つ人も多い。ここでは、実際によくある質問をピックアップして、分かりやすく答えていこう。

Q1. スタッドレスタイヤを夏に履いても違反にはならないの？

いいえ、法律上の違反ではありません。ただし“合法＝安全”ではない点に注意。スタッドレスは低温路面を想定して作られているため、夏の高温路面ではゴムが柔らかくなりすぎて性能が低下します。燃費悪化や制動距離の伸びなど、事故リスクが上がる点を理解しておくべきです。

Q2. 短期間なら履きっぱなしでも大丈夫？

「梅雨前まで」などの短期間でも、基本的にはおすすめしません。真夏ほどではなくても、気温20℃を超えるとゴムが劣化しやすくなります。やむを得ず履く場合は、スピードを控えめにし、長距離走行や高速道路の使用は避けた方が安全です。

Q3. スタッドレスタイヤを履き潰すと寿命はどのくらい？

使い方にもよりますが、夏場を含めて履き潰すと1シーズン持たないこともあります。柔らかいゴムは熱や紫外線で一気に摩耗・硬化するため、結果的にスタッドレスとしての寿命も縮まります。経済的に見えて、実はもったいないケースが多いです。

Q4. 履きっぱなしのスタッドレスは車検に通る？

スリップサイン（残り溝1.6mm）を超えていなければ通ります。しかし、安全面ではギリギリ。特に雨の日の制動性能や高速安定性が低下するため、通るかどうかより「安全に走れるか」で判断した方がいいでしょう。

Q5. タイヤ交換が面倒なら、オールシーズンタイヤに替えた方がいい？

その通り。最近はオールシーズンタイヤでも雪道に対応するモデルが増えています。

年間通して履き替え不要なので、「履きっぱなし派」には理想的。燃費や静粛性もスタッドレスより優れているため、安全性と手間のバランスが取れます。

まとめ：安全性を取るなら、履き潰しは避けよう

古いスタッドレスを夏に履くことは“できる”が、“おすすめできない”。
燃費悪化・制動力低下・バーストなど、デメリットがメリットを大きく上回るからだ。
短期間の節約より、長く安全に走ることを優先しよう。
もし「1年中交換したくない」という場合は、オールシーズンタイヤに履き替えるのが最も現実的な選択だ。

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「古いスタッドレスをどうするか迷ってる」「履き替えタイミングがわからない」——そんな人は、下の記事もぜひ読んでみてほしい。

寿命の見極め方や、交換しなくても済むオールシーズンタイヤの選び方まで、実体験ベースで解説している。

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